特別展「地球最古の恐竜展」(六本木ヒルズ'10)

 2010年7月10日 (土) 〜 9月26日 (日)に六本木ヒルズの森タワー52階 森アーツセンターギャラリーで開催された特別展「地球最古の恐竜展」。その見どころと展示物の一部について、簡単にご紹介していきましょう。なお、大阪、松山、札幌でも巡回展示されています。
(解説:裏辺金好)

○見どころ


 今回の見所は、恐竜展とは名乗っていますが、時代のターゲットをの三畳紀(約2億5100万年前−1億9960万年前)に設定。すなわち、まだ恐竜が地上の覇権を握る前、ワニ類やほ乳類の祖先たちがしのぎを削る群雄割拠の状態であることに注目しているのが特徴。そんなわけで、恐竜以外の化石が非常に多いです。

 上写真はエクサエレトドン。キノドン類(ほ乳類もここから分化しました)の1種です。


こちらはサウロスクス。主竜類クルロタルシ類の1種、要するにワニなどの祖先の1つで、恐竜としのぎを削っていました。


これはアエトサウロイデスの復元モデル。こちらも主竜類クルロタルシ類の1つですね。今回の展示は、実物の化石、復元骨格、復元モデルを3つ対比させたケースも多く、私みたいに化石だけでは実物が想像できない人間には、非常に有難い展示でした。

これも主竜類クルロタルシ類のファソラスクス。恐竜の巨大化と共にワニの祖先も巨大化をはじめ、これは三畳紀最大の肉食動物だったそうです。


さて、さすがは六本木ヒルズ。展示方法もお洒落で、夜間は様々なライトアップも。東京の夜景と共に、様々な色に照らされる化石の組み合わせ・・・。


こちらはレッセムサウルス。植物食性の恐竜です。


キノドン類の1種、エレサエレトドン。



フエングエリサウルス VS イスチグアラスティア。背景が色々と変わって、様々な表情が楽しめます。


主竜類リンコサウルス類の1種であるスカフォニクス。


生きている当時は、こんな姿だったようです。


ちなみにこのコーナー、背面が鏡になっているのが特徴。


出口では、先ほどのファソラスクスの復元モデルと、東京タワーの組み合わせが撮影できます。こんなにお洒落な恐竜博は初めてです。

展示物は若干少なめでしたが、これまであまり展示されることのなかった古生物にも光が当てられ、少数精鋭の充実した内容。加えて、ガイドブックも非常に内容豊富であるのも魅力的な恐竜展でした。


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