特別展マンモス「YUKA」(パシフィコ横浜'13)

 2013年7月13日から9月16日にパシフィコ横浜で開催された特別展マンモス「YUKA」。ほぼ完全な状態で発掘されたケマンモス(ケナガマンモス)「YUKA(ユカ)」の全身冷凍保存標本を、なんと世界で初めて一般公開したものです。・・・が、写真撮影は禁止でしたので、この特別展でよく分かるゾウ3種(アフリカゾウ、アジアゾウ、ナウマンゾウ)とケマンモスとの比較展示を中心にご紹介しましょう。
(解説:馬藤永徳)

1.ゾウの分布


アフリカで生まれたゾウは、このように分布していきました。ケマンモスの移動が凄いですねえ。


ちなみに、同じくアフリカで生まれた現世人類は、このように分布していったとか。陸地があれば、海を超えてどこへでも行きます。・・・ところで、せっかくだからゾウの移動にも年代を書いて欲しかった・・・。

2.全身骨格の比較


アフリカゾウ


アジアゾウ


ナウマンゾウ

ケマンモス

 4種を並べると、まずは背中の形が異なっているのが良く解ります。
 @アフリカゾウ:肩と腰が高い、ふたコブ型
 Aアジアゾウ:肩と腰の間の部分が高い、ひとコブ型
 Bナウマンゾウ:肩と腰が高い、ふたコブ型
 Cケマンモス:肩が高い、ひとコブ型

次に、肩の高さを比較してみましょう。いずれもオスの場合です。
 @アフリカゾウ:3〜3.4m。 
 Aアジアゾウ:2.8m〜3.4m
 Bナウマンゾウ:2.3m〜2.8m
 Cケマンモス:2.8m〜3.4m

 ナウマンゾウが最も小さいですが、まあいずれも3m前後といったところ。マンモス級という表現がありますが、ケマンモスに関して言えば、そこまで大きくはありませんでした。ただし、マンモスの仲間にはアメリカにいたコロンビアマンモス(4m)のような大型の種類も存在しています。

それから、蹄(ヒヅメ)の数が異なっています。
 @アフリカゾウ:前4,後3
 Aアジアゾウ:前5、後4〜5
 Bナウマンゾウ:前5、後5
 Cケマンモス:前5、後4

3.頭骨の比較


アフリカゾウ


アジアゾウ


ナウマンゾウ

ケマンモス

 同じ種類でも個体差があるため、意外と頭骨での比較は一概には言えないようです。それでも、種類によって短めの部分が特徴的に存在しているようで・・・。また、鼻先の形状にも違いがあるのですが、現存しているアフリカゾウ、アジアゾウと、冷凍状態で皮膚付きで発見されたケマンモスに対し、ナウマンゾウは化石でしか発見されていないため、形状が分かっていません。

4.歯の比較


アフリカゾウ


アジアゾウ


ナウマンゾウ

ケマンモス

 別の展覧会である「太古の哺乳類展」のページにも書いていますが、歯の形は種類によって大きく異なっており、種を特定する有力な手がかりになっています。


 並べてみると、このとおり。形状が全然違いますね。

5.ケマンモス関連の展示


ケマンモスの脚


ケマンモスの体毛


ケマンモスの皮膚

6.おまけ


ケサイ
ケマンモスやオオツノシカとともに、氷河期を代表する大型哺乳類であるケサイ。更新世後期にユーラシア大陸北部に生息していたサイの一種です。この特別展では、永久凍土から発見された冷凍ケサイ「コリマ」が展示されており、実は「YUKA」と並ぶ大きな見どころ。ただし、写真撮影は禁止でしたのでご紹介することは出来ませんでした。

会場の入口では、ナウマンゾウの復元モデルが動いていました。なんで、特別展のテーマであるケマンモスではないのでしょう・・・?


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