恐竜博特集:南アジアの恐竜時代('15福井県立恐竜博物館)

 2015年 7月10日(金)〜10月12日(月) に福井県勝山市の福井県立恐竜博物館で開催された特別展「南アジアの恐竜時代」。
 実に面白い展示でした!メインテーマであるタイ・ラオス・中国の恐竜を羅列するだけでなく、キャプションや古地理図や柱状図(地層の積み重なりを、場所毎に比較したもの)を使い、実に様々なお話を紹介してくれています。例えば・・・。

@昔の雲南省は、陸地のどまんなかどころか、内海の縁の海岸地帯だった。
A北米のティタノサウルス類のアジアへの進出。

 ティタノサウルス類がディプロドクス類と入れ替わるようにしてアジアに進出してきたことを示した図は 本展示の「ストーリー」のキモといっていいでしょう。この特別展では、タイのプウィアンゴサウルス、ラオスのタンバヨサウルス、それから福井のフクイティタンなどが、その証拠として並べられています。


(撮影:馬藤永徳)

見どころ


ノトサウルス
恐竜にあらず初期(三畳紀)の海生爬虫類です。図鑑にはよく出るけど、実はあまり標本を見ることが出来ませんでした。


プウィアンゴサウルス・シリントーナエ
タイで発掘された、白亜紀前期に生息した全長15mのティタノサウルス類。種名はタイ王国のシリントーン王女にちなんだものです。彼女は、古生物学にも造詣が深いそうな。



タンバヨサウルス・ホフェティ
ラオスで発掘された、白亜紀前期に生息した全長15mのティタノサウルス類。ラオスにティタノサウルス類がいたということが重要です。大腿骨や尾椎などが展示。



イクチオベナトール・ラオセンシス
ラオスで発掘された、白亜紀後期の最初期前後であるアプチアン期〜アルビアン期に生息したスピノサウルス類。獣脚類の食性の多様化の例として魚食性のコイツを展示しています。目玉展示の1つのはずですが、展示全体の中では少し影が薄かったかも?


恐竜と他の動物の卵を比較した、卵専門の展示など
ココらへんは私も不勉強でして良く知らないのですが、どうやら卵自体に学名が就いている模様。卵の親がどの恐竜かわかりませんものね・・・。余談ですが、足あと化石も、骨化石とは別に学名がついています。

その他


ミクソサウルス
三畳紀に生息していた水棲爬虫類。


マクロクネムス
三畳紀後期の原竜類。雲南省富源から発掘されたもので、ちなみに世界初公開だとか。


イサノサウルス・アッタヴィパチ

三畳紀後期の竜脚類。タイのチャイヤプーム県から発掘。



ジンシャノサウルス
ジュラ紀前期の竜脚形類。


ヤンチュアノサウルス
ジュラ紀後期の獣脚類。


バシロケリス・マクロバイオス
ジュラ紀末期〜白亜紀初期のスッポン類。


シャケミス・ラオシアナ
白亜紀後期の最初期前後であるアプチアン期〜アルビアン期に生息していたスッポン類。この化石の発見により、これまで考えられていた時代よりも早く、スッポン類の多様化が確認されました。


ガリミムス・モンゴリエンシス
白亜紀後期の獣脚類。


アンキロサウルス類

ジェジャンゴサウルス・リーシュイエンシス
白亜紀後期の鳥盤類。中国の浙江省から発掘。世界初公開。

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