生命三十六億年(4) カンブリア紀

○今回ご紹介する時代(赤色部分)

累代
開始年代
顕生代 古生代 ペルム紀    2億9900万年前〜
    石炭紀    3億5920万年前〜
    デボン紀    4億1600万年前〜
    シルル紀    4億4370万年前〜
    オルドビス紀    4億8830万年前〜
    カンブリア紀  5億4200万年前〜

○ゴンドワナ大陸

 進化の大爆発があり、現代につながる多くの生物が生まれたことで知られるカンブリア紀。
 カンブリアという名前は、1835年にイギリスの地質学者アダム・セジウィックが、イギリスのウェールズ地方(古代ローマ人がカンブリアと呼んでいた場所)でこの時代の地層を最初に調べたことに由来します。

 この当時、太古の大陸であるゴンドワナ大陸が既に存在していたことがわかっています。
 これは現在のオーストラリアや中央アジア、アフリカ、南極、インドが合わさった大陸であり、このうちの一部は後の時代に分裂することになります。

 ほかにも現在のヨーロッパの一部とトルコにあたるアヴァロニア、同じくヨーロッパの一部であるパルティカという、2つの小規模な大陸と、北アメリカとヨーロッパが合わさったローレンシア(*注:ローラシアではありません)、そしてシベリアが大陸として存在していました。



 さて、これらの大陸の間には、イアペトス海と呼ばれる海が存在し、その外にはパンサラッサ海が広がっています。

 また、この頃は火山活動が盛んで、多くの山や陸地が出来ます(造山運動)。大陸からの河川も活発に地表を削り、海に多くの塩類(リン酸塩など)を供給していたのではないかと考えられています。また、浅い海もたくさんあったと考えられています。これは造山運動の結果かもしれませんし、あるいは海面の上昇により陸地が浸食されたのかもしれません。

 いずれにせよ、河川が供給した塩類(リン酸塩など)が浅い海にたまることにより、殻などを持つ生物が誕生する土壌が形成されたのです。これが、カンブリア紀からの特徴です。


○進化の大爆発

 この時代の代表的な化石産地として、2つの場所が知られています。1つは、現在の中国雲南省の澄江(チェンジャン)、もう1つがカナダのブリティッシュコロンビア州のバージェス頁岩です(場所は下の地図を参照)。それぞれ、当時のゴンドワナ近海と、ローレンシア近海に相当します。特に、後者から産出する化石は、地球上初めて多彩な多細胞動物が出現した証拠として、バージェス動物群として有名です。


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 それまでの動物は、エディアカラ生物群のような単純な構造の動物しかいなかったといわれています。「単純な構造ってどんな生物?」ということで、前回も使いましたが、復習としてもう1回この写真に登場してもらいます。



カルニオディスクス (国立科学博物館にて)

 現在、動物は38門に分類されていますが、その全ての祖先となる生物が出現したのがカンブリア紀。
 たとえば、多彩な軟体動物や節足動物、そしてピカイアに代表されるように、我々の祖先である脊索動物(せきさくどうぶつ)などが登場します。脊索動物とは、消化管の背側かつ神経索の腹面に脊索という棒状のかたい支持器官をもつ動物のこと。まあ、背骨の祖先みたいなものですね。またカンブリア紀には、この脊索動物の中から、脊椎動物である魚類が出現します。

 このように多彩な動物が出現したことを、カンブリア爆発(進化の大爆発)といいます。

 このカンブリア爆発の注目すべき点は、なぜカンブリア紀に入って(しかも僅か1000万年の間に)全ての現代生物の祖先が揃うほどの動物が生まれたのかということです。さらに、現在の生き物とは似ても似つかない分類不明な動物たちが出現しており、これも興味深い事象です。

 このように様々な動物が誕生したのは、先ほど紹介したように、塩類(リン酸)が浅い海に流れてきたこともさることながら、このカンブリア紀までに遺伝子レベルで、様々な動物に分化する準備が整っていた、と考える学者もいます。

 また、生存競争を促す強力な肉食動物(たとえばアノマロカリス)が登場したことも、多彩な生物を産んだ理由の1つだと考えられています。ちなみに左のアノマロカリス、ご丁寧にも獲物を「一度に二度かむ」ことでも知られています。
*GIFアニメーション:http://www.ne.jp/asahi/komori/ugoku/



三葉虫の復原モデル (国立科学博物館にて)

三葉虫の復原モデル (国立科学博物館にて)  *反対側

パラドキシデス(三葉虫) (北九州市立 いのちのたび博物館にて)
古生代の示準化石として有名な三葉虫。カンブリア紀に登場しました。肉食動物に対抗して、殻で体を覆っています。

サンクタカリス (国立科学博物館にて)
海で棲息した肉食動物の1種。

 カンブリア紀の動物については、以前にコラムで書いていますので、そちらも参考にしてください。



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