カメラについて語ってみる(20) やっぱりCANON-F1を買って語る(後編)

●フラッシュカプラーD

 F-1には外付けの大型ストロボと同調させるためのシンクロソケットは付いていますが、外付けのフラッシュを装着するためのアクセサリーシューは付いていません。このフラッシュカプラーD以外にも、次に紹介するファインダーイルミネーターと同様の機能を持ったフラッシュカプラーLや、レンズの光軸上にフラッシュを取り付けるためのフラッシュカプラーFがあります。


●ファインダーイルミネーターF(FINDER ILLUMINATOR F)

 最近のカメラには液晶表示部分があります。そして、暗闇で表示を確認するバックライト機能が付いていたりするのですが、このファインダーイルミネーターFは、それ近い機能を持たせるものです。

 フラッシュカプラーLも同様の機能を持っているのですが、僕の撮影スタイルでは、暗い所ではできるだけフラッシュを使わないようにしているので、こちらで十分。装着した時も、アイレベルファインダーの角と高さが同じになるなど、見た目の良さもこちらが上だと思います。ムギ球のオレンジ色の光で照らされたメーター表示は、どことなく温かみを感じます。


●M42マウントアダプター

 これはCANON純正品ではありません。FDマウントカメラにM42マウントレンズを装着するためのアダプターです。FDマウントはフレンジバック(フィルム面からレンズマウント基準面までの距離)が42mmで他の一眼レフに比べて短いので、アダプターを利用することで、いろいろなレンズが使えるようになります。

 自動絞りや、開放測光はもちろん連動しませんが、古いレンズが使えるようになったりと、なかなか楽しいです。F-1時代には、ニッコールレンズをFD化するアダプターも、純正で発売されていたそうですが、確証はありません。アメリカなどのプロショップで独自に販売されたものは見たことがありますが。

 さて、僕が持っているFDレンズは28mm、50mm、135mmで、スナップ撮影をして歩くにはちょうどいいですが、すこしかわった焦点距離のレンズを使ってみたくなった時にはこのアダプターが便利です。M42マウントレンズは、85mm、180mm、300mmと望遠側が多いですが、180mmや300mmは三脚を使用しなければ手ブレが発生しやすいので、絞込み測光(絞りをマニュアルで絞り込み、その値で露出値を決める)であっても、対して苦にはなりません。


●おわりに
 以上のパーツを組み合わせて、自分の撮影スタイルにあうF-1を組み立てるのは、なんだか合体ロボットのようで楽しいものです。特に、子供の頃に変形ロボットが好きだった人はたまらないでしょう。また、パーツ一つ一つが精密で、剛性があるので、使っていて安心感があります。

 しかし、F-1も販売終了してから20年以上経っているため、アクセサリー類も手に入りにくいです。完動美品であればかなり値段が高くなっています。また電気的な部分が劣化しているものもあります。ファインダーイルミネーターFは電球が点かなくなると修理不能のようです。もっとも、内部構造は簡単なので、市販のムギ球などで修理できますね。必要ならLEDなどに換装してもいいですね。電圧が問題になるので、少し改造が必要になるでしょうけど、使用電池を換えてアダプターを作れば大丈夫でしょう。

 全体的には機械部分のメンテナンスで寿命を延ばすことができます。この頃のカメラは『一生モノ』として考えられていたため、とても丈夫に、修理もできるように作られています。

 これからF-1を購入しよう、と考えている人がいたら、これまでの記事を、何らかの参考にしていただければうれしいです。また、直接質問のある方は
yuhki7se@hotmail.com
 に連絡いただければお答えします。もちろん『こんな記事を書いてくれ』と言うリクエストもお待ちしています。

 それでは、今年もよろしくおねがいします。


 七ノ瀬 悠紀

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