大型直流電気機関車の嚆矢であった貨物機のEF60の旅客機版として登場したのがEF61です。旅客用ですので蒸気発生装置(SG)を搭載した結果、車長がEF60に比べて1.6m長く、また、独特の換気ルーバーや明り取り用の窓など、スーマトなデザインで子供心に『格好エエなぁ〜』と好印象を持っていた機関車でした。その頃、自動車輸送専用貨物を牽引して山陽本線を疾走していた姿を今でも鮮明に覚えています。
 EF61は登場時こそ20系客車の先頭に立つなど活躍しましたが、EF60の500番台の登場で花形運用から外れ、長距離客車列車も電車に置きかえられていった時代、SG付の特性を活かすため急行荷物列車や本来の用途からは外れた貨物列車の運用へと地味な役回りへを活躍の軸足を移しました。こうしたことが「悲運の急客機」と呼ばれた所以なのでしょう。
 18両と小所帯であったEF61は、瀬野八の補機への改造(100番台)の計画もありましたが、結局は貨物列車の大幅減により立ち消えとなり、最晩年には細々と急行荷物列車運用をこなしながら、ひっそりとその役割を終えました。
 ここでは最晩年の急行荷物列車を牽引する姿を中心に製造番号順に紹介いたします。(平成23年8月21日執筆、特記以外の撮影場所は山陽本線/英賀保−網干間)
▲EF61−1
▲EF61−2
▲EF61−3
▲EF61−4
▲EF61−5
▲EF61−6
▲EF61−7
▲EF61−8
▲EF61−9
▲EF61−11
▲EF61−12
▲EF61−14
▲EF61−15
▲EF61−16
▲EF61−17
▲EF61−18
     
▲エピローグ
     

 なお、このほかにEF61形は山陽本線瀬野 - 八本松間補機としてEF60形から改造された200番台8両が存在していますが、本特集では除外しております。