見当

○意味

1 大体の方向・方角。「駅はこの見当です」
2 はっきりしていない事柄について大体の予想をすること。見込み。「犯人の見当はついている」「見当をつける」
3 版画や印刷で、刷る紙の位置を決めるための目印。その形からトンボともいう。
4 (接尾語的に用いて)数量を表す語に付いて、その程度の数量であることを表す。…ぐらい。「五〇人見当」
(デジタル大辞泉(小学館))

○解説<

 見当は、上記「3」の木版画に由来する言葉。18世紀、木版画はそれまでの墨一色から複数の色版を用いた多色刷りになりますが、重ねたときに位置がずれないよう、L字に彫り込む右手前の「カギ見当」と一文字に彫り込む手前中央左寄りの「引き付け見当」の2ヶ所に紙を引っ掛けて位置を定めるようになりました。
 この見当がずれて彫られてしまうと、色を重ねたときにずれてしまいますので、上記1の「大体の方角」ではなく、木版画にとって精密さを要求される非常に重要な技法の1つでした。



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