アルカリ

○意味

《もとアラビア語で、海の草の灰の意》水に溶けて塩基性を示す物質の総称。ふつう、アルカリ金属・アルカリ土類金属の水酸化物をいう。
(小学館 デジタル大辞泉)

〔名〕 (オランダ・英 alkali 元来はアラビア語で、al は定冠詞、kali は「灰」の意。「亜爾加里」「亜児加里」とも書いた) 水酸化物 MOH (Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム基など)の形式をとり、強い塩基性を示して水に溶解する物質の総称。一般には水酸化ナトリウムと水酸化カリウムを意味する。塩基と同義語にも用いる。〔植学啓原(1833)〕
(小学館 精選版 日本国語大辞典)

きわめて古い時代、アラビア人は植物の灰(陸の植物では主成分が炭酸カリウム、海の植物では主成分が炭酸ナトリウム)をアルカリとよんでいた。alは冠詞で、kaliは灰の意である。これがその後に一般化され、灰から抽出した物質、およびそれに似た性質、すなわち強い塩基性を示すものをすべてアルカリとよぶようになった。
(日本大百科全書<ニッポニカ>)

○解説


 酸性、アルカリ性でお馴染みの「アルカリ」。その語源はアラビア語で、カリとは「灰」の意味です。

 なお、漢字では「亜爾加里」と表記します。

 これは江戸時代にフランスのショメルが1709年に著した「日用百科事典」のオランダ語訳本を1810(文化7)年に江戸幕府が購入し、馬場佐十郎、大槻玄沢、宇田川榛斎(しんさい)らが中心に、1811年〜1846年という、実に約30年かけて翻訳した厚生新編(こうせいしんぺん)で「亜爾加里塩」として初めて見られるものですが、既に江戸時代後期の段階でアルカリの概念が蘭学者たちに紹介されていたことになります。

 なお、化学的にはpHが7よりも大きいものがアルカリ性とされ、pHの値が大きければ大きいほどアルカリ度合いが強くなります。

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