我々のイメージする「全身甲冑をまとった騎士」が戦場に登場するのは11世紀からだという。その一番大きな理由は、甲冑の製造技術の問題ではなく、11世紀より前には、西洋では鐙(あぶみ)が存在していなかったから(鐙というのは、馬に乗る&乗っている時に、足を踏み掛ける馬具。下のCGで言えば足先に付いているもの)。
たしかにあぶみがなければ、馬上で踏ん張りがきかない。
軽装でも踏ん張れないのだから、
甲冑をつけた状態ならよけいに無理がある。
あぶみなんて、昔からありそうに思えるのに、意外な話だ。
ちなみにフル装備した場合、鎧と人間の重さを合わせると(馬鎧も含め)、重量は135kgにもなるという。したがって、戦場ではサラブレッドのような全力疾走は無理で、速足程度で活動していたようだ。
|