種別
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警備艦(DD) |
主機
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ガスタービン4基(COGAG)・2軸 |
登場年
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2012年
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出力
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64000馬力 |
基準排水量
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5000t |
速力
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30kt |
全長
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151m |
搭載機
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哨戒ヘリ1機 |
全幅
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18.3m |
乗員
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200名 |
54口径127?単装速射砲
Mk−41 垂直発射機1基(32セル SUM&SAM)
90式SSM4連装発射筒2基
Mk−32 324mm単魚雷3連装発射管2基
Mk−15 20mmCIWS2基
新たな戦略とともに誕生した海上自衛隊の最新鋭汎用護衛艦。
「あきづき」型の存在意義は『高付加価値資産の護衛』にある。高付加価値資産とはこの場合イージス護衛艦を指す。つまり、イージス護衛艦が弾道ミサイルへの対処に専念している間、本型はイージス護衛艦めがけて飛来する対艦ミサイルや敵航空機・敵潜水艦への対処を担当するという仕組みだ。
海上自衛隊では今後、機動運用部隊としてDDH(ヘリコプター搭載護衛艦)中心グループとDDG(イージス護衛艦)中心グループの2種類8部隊(4部隊ずつ)に分類し運用する体制へ移行する予定である。詳しい解説は本項では省くが、「あきづき」型はその内DDG中心グループに編入される。
つまり、1つのDDG中心グループにつきイージス護衛艦1隻とそれを護衛する「あきづき」型1隻に従来の汎用護衛艦2隻が付随する形となる。従来の汎用護衛艦は基本的に自分を守る(『個艦防空』)程度の戦闘能力しか有しておらず、『僚艦防空』という思想には対応していない。そこで、『僚艦防空』を主眼において設計されたのが「あきづき」型というわけだ。
そのため当然従来の汎用護衛艦(「たかなみ」型以前)よりもハイレベルな対空・対水上・対潜戦闘能力(要するに全方位だ)を求められており、兵装も改良型が搭載されている。特筆すべきは対空戦闘能力であり、FCS−3(高性能レーダー・高性能射撃指揮システムの総称)とESSM(発展型個艦防空ミサイル)の組み合わせにより、従来の汎用護衛艦に比べ高い対空戦闘能力を獲得した。しかし、あくまでこのシステムは自分だけを守るシステムをベースにしたものであり、『僚艦防空』という思想にそぐう物であるかは疑問視する声もある。
敵のレーダーに映り難く設計する、ステルス性能という面では「あきづき」型で一応の完成を見たことになる。限りなく直線で構成された船体、従来の櫓のようなラティスマストとは異なる塔型マストの採用など、全体的にステルス性能への配慮がなされている。もっとも、米海軍では本格的にステルス性能を重視したラディカルな形状の戦闘艦を建造中であり、海上自衛隊が今後そのようなレベルのステルス性を追求するのかは不明であるが、ひとまず本型において世界標準レベルのステルス性を獲得したと見てよいだろう。
(解説:鯛風雲)
艦番号
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艦名
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竣工日
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DD-115 |
あきづき |
2012年3月14日 |
DD-116 |
てるづき |
2013年3月7日 |
DD-117 |
すずつき |
2014年3月12日 |
DD-118 |
ふゆづき |
2014年3月13日 |