城の見方ガイド(7) 城を防御せよ!−土塁の話
○古来から使われる防御施設
自然の形状をそのまま使うだけでは、防御力に物足りないものがあります。そこで前回見たように堀を張り巡らせ、さらに曲輪の周囲に土を高く積み上げる土塁(どるい)を造りました(土居、土手ともいいます)。これによって、敵を簡単に城に入り込ませないようにしたのです。
これは、織田信長が安土城に高石垣を使うようになった頃から、城の防御には、(それまで補助的に使われていた)石垣を高く積み上げるのが普及しましたが、その後も石垣と併用して土塁が造られています。むしろ関東の場合、石垣を多用した城は江戸城や小田原城ぐらいで、土塁がメインな方が珍しくありません。
その江戸城も、上写真のように石垣で守られている部分だけではなく、土塁で守られている部分も多数あります。
宇都宮城(栃木県宇都宮市)
高田城(新潟県上越市)
ちなみに土塁は、「たたき土塁」(土に粘土や小石を混ぜたものをたたき固めたもの。崩れやすく、急な勾配をつけにくい)と、「芝土塁」(土塁の法面=のりめん に、芝を植えつけて保護。崩れにくくなるため、たたき土塁より急な勾配も付けることができる)の2タイプがあります。