鬼ノ城〜岡山県総社市〜
  Kinojyo Castle in Sojya City , Okayama Prefecture

 鬼ノ城(きのじょう)は、岡山県総社市の鬼城山(きのじょうざん 標高397m)に遺る神籠石式山城。「日本書紀」など正式な歴史書には一切登場しない謎の城ですが、663(天智天皇2)年の白村江の戦いで、大和朝廷の軍勢が唐・新羅の連合軍に敗れた後、侵攻に備え築城したと西日本各地に築かせた古代山城(神籠石系山城)の仲間ではないかと推測されています。
 
 桃太郎説話や「温羅(うら)伝説」の舞台として知られており、1978(昭和53)年の鬼ノ城学術調査団による調査を皮切りに、特に平成に入ってから現在に至るまで継続的に発掘調査が行われ、さらに総社市では2001(平成13)年度から史跡整備に着手。西門や角楼などが推定復元されるなど、次第にその全貌が明らかになりつつあります。

(撮影&解説:裏辺金好)
 ▼MAP

 ▼アクセス
 バスで本部循環線今帰仁村字今泊今帰仁城跡入口下車徒歩15分


 ▼関連ウェブサイト
 総社市役所「鬼ノ城」
 古代吉備文化財センター


○風景


鬼ノ城の全景(復元模型)

鬼ノ城遠景

西門
鬼ノ城には4つの門があり、このうち西門については発掘調査を元に推定復元しています。


角楼
城壁から凸字型に張り出しているもので、正面と側面から攻撃が可能です。

西門裏側


西門

西門下からの風景

土塁
土塁は基礎に列石を配し、木枠を組んで土を一層ごとに突き固めた版築工法で造られています。
高さは5〜7m、壁面の勾配は80度近くという堅固なものです。

西門周辺の風景

西門城壁の上から

石垣

神籠石状列石

用途不明

第二水門近くの石垣

第二水門
鬼ノ城に6箇所あった排水設備(水門)。

鬼ノ城からの風景

南門

南門
こちらは施設は復元されていないが、形と大きさは西門と類似しています。

鬼ノ城の風景

鬼ノ城の風景