鬼ノ城(きのじょう)は、岡山県総社市の鬼城山(きのじょうざん
標高397m)に遺る神籠石式山城。「日本書紀」など正式な歴史書には一切登場しない謎の城ですが、663(天智天皇2)年の白村江の戦いで、大和朝廷の軍勢が唐・新羅の連合軍に敗れた後、侵攻に備え築城したと西日本各地に築かせた古代山城(神籠石系山城)の仲間ではないかと推測されています。
桃太郎説話や「温羅(うら)伝説」の舞台として知られており、1978(昭和53)年の鬼ノ城学術調査団による調査を皮切りに、特に平成に入ってから現在に至るまで継続的に発掘調査が行われ、さらに総社市では2001(平成13)年度から史跡整備に着手。西門や角楼などが推定復元されるなど、次第にその全貌が明らかになりつつあります。
(撮影&解説:裏辺金好)