2010年1月29日ほか 生命の星・地球博物館

○1月29日(金)


 本日は仕事が休みにつき、馬藤所員を連れて小田原市入生田にある神奈川県立「生命の星・地球博物館」へ。・・・と、その前に藤沢駅で185系による湘南ライナーを撮影。

 小田原から箱根登山線に乗車。やってきたのは小田急の赤い1000形。

 ちなみに我々が乗車した車両は、偶然にも1111という番号の車両でした。

 さて、入生田駅で下車。駅前にある巨大な施設が神奈川県立「生命の星・地球博物館」です。うむ・・・なんかハコモノ的な雰囲気が漂っておりますが、ガイドの人によると「バブルがはじける前に計画されました」とのこと。確かに、そんな感じですね。建築好きとしては、なかなか重厚感のある雰囲気で好感が持てます。

 玄関をくぐると、広い空間にチンタオサウルスの復元骨格が。

 まずは地球展示室。そのうち最初に見るのは地球誕生というテーマで、様々な隕石やクレーターについて展示。

 展示物は写真撮影OK、触るのもOKだそうで、ガイドの方がマグネットを隕石にくっつけてくださいました。

 デンマークのグリーンランドで産出された片麻岩(へんまがん)。何を隠そう、およそ38億年前に誕生した岩石だそうで、現在我々が見られる岩石の中でも特に古いものだそうです。

 この他にも「地球が造った景観と岩石」という展示では、地球各地の様々な岩石や鉱物を展示。

 こちらはブラジルで産出された紫水晶。

 同じくはブラジルで産出された方解石。方解石は様々な結晶の形をしているのが特徴だそうで、こちらは犬牙状結晶と呼ばれるもの。確かに犬の牙のように鋭い形をしていますね。

 イギリスで出土したアンモナイトの壁。いやはや、凄い光景です。色々な展示のある「生命の星・地球博物館」ですが、個人的にはこの周辺が最も面白い展示でした。これだけでも見に行く価値はあります。大量に写真撮りましたので、そのうち1コーナーできるかも?

 続いて生命展示室。まずは魚類からで、深海魚のリュウグウツノカイは圧巻。

 続いて恐竜の化石や哺乳類、鳥類など色々展示。・・・はいいのですが、とにかく並べてしまえ!といった感じ。いかに地球には様々な生物がいるのか感じられますが、解説は非常に少なく、例えば、この動物はどんな特徴を持っていて・・・というのが非常に少ない。全体的で大雑把な解説をパネルで置いているだけです。

 異様に充実しているのが昆虫のコーナー。やっぱり解説は殆どないのですが、蝶を中心に世界中の希少な種類が山ほど。写真はコーナーのほんの一部。まだまだ両脇と手前、さらには別の階にも豊富な種類が展示されています。

 自然の神秘と申しますか、綺麗な蝶が多いですね。こちらはキプリスモルフォで、なんと鮮やかなブルーでしょう。しかし・・・、例えばどの辺で見られる蝶なのか、生態にはどんな特徴があるのか、全く解説がないんですよねえ・・・。

 なんという神々しい姿でしょう。コスタリカに棲息するキンイロプラチナコガネ。

 ブラジルに棲息するエメラルドシタバチの1種。聞いたことのない名前ばかりです・・・。

 3階から生命展示室を見た風景。素材は非常に充実しているだけに、もうちょっと展示方法に工夫がないものかと・・・。

 で、その3階に上がると神奈川展示室。神奈川県に関係のある動物や自然に関する展示がメインで(・・・と言いつつ、展示品は他地域から出土したものが多いですけど)、上写真は我が地元の藤沢市などで発掘された縄文人が食べた貝。

 こちらは藤沢市などで発掘されたナウマンゾウ(レプリカ)。

 それから共生展示室では、ニホンオオカミの模造剥製が展示されていました。

 こちらはジャンボブック展示室。この博物館が所蔵している標本を、百科事典風に展示しているコーナー。何と申しますか、ようやく系統立てた解説と展示物がリンクしているコーナーが登場しまして、妙に一安心。で、このコーナーだけでも他の博物館の追随を許さない、豊富な展示量を誇っております。ここは非常に面白かったです。では、その内容から少し紹介しましょう。

 例えばこちら。コケの仕組みと、様々な種類のコケが展示されています。例えば、こちらはチャツボミゴケ。解説は読んでの通りですが、こうやって記載してくれると、「おお、確かに見たことがある!」など感想も出てくるわけでして。

 こちらはクジャクゴケ。褒めたところで解説がなくなったので(笑)調べてみると、湿った岩上に見られるコケで、名前の由来は葉はクジャクの羽を広げたような形をしているから、だとか。

 キノコに関する展示も充実。この時期は鍋などで良く食べますけど、意外と生態や構造は知らないもの。大変勉強になります。

 そして毒キノコも含めた様々なキノコが一堂に展示されています。こちらはドクベニタケ。・・・名前の通り毒性のあるキノコです。

 キヌガサダケ。スッポンタケ科の1種で、マントのような菌網を伸ばし、優美な姿から「キノコの女王」と呼ばれています。中華風スープに入れて食べると、シャリシャリとした歯ざわりが良いそうです。

 こちらはスッポンタケ科の代表、スッポンタケ。先ほどのキヌガサダケとは異なり、菌網を伸ばしません。やはり湯がいて水に浸してから、中華風スープの材料にするといいそうです。

 またまた岩石や鉱物についても非常に充実した展示が。
 こちらの花崗岩は、私と馬藤所員が高校時代を過ごした山口県徳山市(現、山口県周南市)から産出したもの。

 これは方鉛鉱。今では閉山して入れない、鉱山から収集した鉱物も多数展示されています。

 こちらは「たんばん」。漢字で書くと胆礬とのことで、非常に美しい姿をしています。

 海の生き物に関する展示も充実。裏辺研究所トップページに書きましたが、タラバガニはカニではなくてヤドカリの仲間、だそうです。というわけで、こちらのハリイバラガニ。タラバガニ科に属するため、ヤドカリの仲間でございます。タラバガニは、ハサミを入れて10本ある足のうち、カニと違い、最後の脚が小さく、甲羅の下に隠れているのが特徴だそうです。
 とは言え、だいたいカニと殆ど同じ姿。これでヤドカリという方が不思議な話。馬藤所員によると
「進化の過程において、結果的に同じような姿になった」
 とのこと。な〜るほど。
 さて、解説があまり充実していないことから、辛口の批評を書いてしまいましたが、展示標本数自体は凄い数でして、「良くここまで色々なものを収集した」と、本当に驚嘆に値します。よく、入れ物だけがでかくて、内容が全くないハコモノ博物館がありますが、こちらは入れ物が大きい上に、内容も豊富すぎて、ジャンボブックのコーナー以外は、もはやどう展示していいのか微妙な感じになってしまったようです。
 そんなわけで思わず膨大な写真を撮ってしまいました。ここで掲載したのは、本当に極々僅か。以前に国立科学博物館で撮影したものと組み合わせて、何らかの形で、いずれ掲載していきたいと思っております。箱根に行く途中にある博物館ですし、入館料は520円とリーズナブル。これだけの展示物を見られる場所も珍しいですので、是非行って見てください。

 さて、入生田駅に戻ります。こちらは箱根登山鉄道の車庫もある場所ですが、箱根登山鉄道の車両は小田急の車両よりも線路幅が広いため、このように2種類のレールの幅に対応しています。最近までは箱根登山鉄道の車両が小田原駅まで直通していたため、小田原までこんな感じだったわけですけど・・・。

 小田原に到着し、久しぶりに小田原城へ。昨年に復元工事が完了した馬出門を見ます。二の丸正面に位置する重要な門で、馬出門と内冠木門の二つの門、そして周囲を石垣と土塀で四角に囲んだ桝形形式なのが特徴です。まさか、ここまで大規模に復元しているとは思わなかったので、ちょっと驚き。
 ここから既に復元済の銅門、そして常盤木門をくぐり、天守閣へ。
 ・・・その間、90歳を超える元気な歴史好きのお爺さんにつかまり、貴重な話と自慢話を語られ1時間ほど・・・ごにょごにょ。しかし、言葉もハッキリ、動きも俊敏(私と歩くスピードが変わらないし、坂道も全然何のその)、知識も経験は非常に豊富と、凄い方でした。自分も老後はあんな感じになってみたいもの。

 こちらは復元天守閣。

 で、小田原を後にします。来るたびに感動しますが、小田急のホームは壮大な雰囲気です。こういう駅、もっと増えてくれませんかね。
 さて本日の旅行はこれにて終了ですが、このあと馬藤所員と映画「オーシャンズ」を鑑賞。海に生きる魚たちの姿を追ったドキュメンタリー映画で、見る前は「まあ、NHKみたいな映像を映画館で見るぐらいかな」と思っておりましたが、NHKの映像だって凄いにもかかわらず、さすが映画にするだけあって、もっと迫力のあるものでした。
 何しろ、映画館の大スクリーンも手伝いまして、あたかも自分が魚たちと面と面を向かい合わせているような感じ。さらには、ウミドリが急降下で海面の魚を捕食するシーンなんか、その辺のアクション映画顔負けのド迫力でした。これは、是非鑑賞に値する作品ですぞ!

○1月30日(土)


 やってしまった・・・。生まれて初めて、いわゆる大人買いというのを実施してしまいました。
 というわけで鉄道コレクション第11弾、一気に全種類購入です。・・・い、いや、大人買いではありません、あくまで10両セットの購入です、と意味不明な言い訳をしてみる。

 何しろ今回の鉄道コレクションは私の好きな京王電鉄5000系の地方への譲渡車両がメイン。一番右のみ仲間はずれ(?)で、名鉄5200系を改造した豊橋鉄道の1900形(実写は現存せず)です。

 特にこちら、伊予鉄道700系は松山市に住んでいた頃に何度もお世話になった車両。最近でも松山に行くと良く乗っておりますので、特に思い入れのある車両です。う〜ん、もう1編成ぐらいあっても良いなあ。あとは、某Tさんが箱買いして余剰となった車両を使って、与太郎さんに別の塗装に変更してもらう予定であります。

 なんとなく実車の写真も掲載しておきます。あ〜・・・松山行きたくなってきた。

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