2022年4月20日 葛飾柴又を歩く


 国民的映画であった「男はつらいよ」(主演・渥美清、原作・監督:山田洋次 ※一部除く)。たまたま4Kリマスター版で第1作を見たところ、まるで最近撮影された映画のごとく鮮明で非常に感動し、葛飾柴又に行きたくなってしまいました。そこで、付き合いのある年配の方々を誘って出撃。2009年7月26日に訪問して以来、実に13年ぶりです。
 まずは金町線で柴又駅で下車。京成3500形と3600形が列車交換します。


柴又駅も「男はつらいよ」の聖地ですね。

葛飾駅の駅舎

駅を出ると寅さん像がお出迎え。

同じく駅前に建つ「見送る さくら」像

13年前と比較すると駅周辺のお店がいずれもリニューアルされています。

それでは、さっそく柴又帝釈天の参道を歩いてみましょう。

高木家老舗は、男はつらいよロケの際にスタッフ、キャストの休憩や衣装替えの場所として利用された場所。


参道の奥が柴又帝釈天。1629(寛永6)年に創建された日蓮宗の寺院で、正式には経栄山題経寺と称します。二天門は1896(明治29)年築。江戸期建築の最後の名匠と名高い坂田留吉を棟梁として造られた総欅造りの豪壮な門で、日光東照宮の陽明門を模したと云われます。


帝釈堂は坂田留吉棟梁が仕上げた総欅造りの建築で、堂の周囲を法華経説話に取題した彫刻をめぐらしているのが特徴。

これですよ!これ!1934(昭和9)年に完成したものですが、まさかここまで見事な彫刻を至る所に施しているとは。


庭園である邃渓園は1972(昭和47)年造園。名前は庭園の滝の風情が幽邃でもの静かであることに由来。また、奥に見える大客殿は東京都選定歴史的建造物で、1929(昭和4)年築。北側はガラス障子の広縁を巡らし、中央には物見台が設けられ名庭邃溪園に対面しています。頂経の間にある「日本一の大きさ」を誇る大南天の床柱は必見です。

 続いて近くにある山本亭へ。カメラ部品メーカーである合資会社山本工場の創立者、山本栄之助氏の住居として大正末期から昭和初期にかけて増改築したもので、書院造を持つ和風の居間とステンドグラスが美しい洋室を持つ和洋折衷の邸宅です。
 元々は1923(大正12)年の関東大震災まで鈴木家の瓦工場だったものを取得したものです。
 上写真は石造りの長屋門で、守衛用の控室にはステンドグラスの窓がはめ込まれています。


長屋門の先を抜けた場所にある玄関。往時は客人はここから入り、右手奥の鳳凰の間へ案内されていたようです。

洋間である鳳凰の間。規模は小さいですが、寄木を用いたモザイク模様の床、白漆喰仕上げの天井、ステンドグラスの窓が見事です。

基本的にはこのように和室になっており、現在はここで休憩することが出来ます。

庭園は270坪の典型的な書院庭園で、米国の日本庭園専門誌「Sukiya Living ランキング調査(2016年)」で、第3位に評価されています。

さらに寅さん記念館/山田洋次ミュージアムへ。2022(令和4)年4月9日にリニューアルされたそうで、偶然にもそれから間もない時に訪れたことに。中に入ると大船撮影所から移設した、実際の撮影に使用した「くるまや」のセットが設置されています。


あ!寅さん!


タコ社長の朝日印刷所が再現され、本物の活版印刷機も展示されています。


寅さんが愛した鈍行列車の旅。旧型客車オハ35形を再現した車内では、窓に「男はつらいよ」で鉄道が登場する映画の名場面が投影されます。

一堂に表示された歴代ポスター。

山田洋次ミュージアム。2022(令和4)年のリニューアルで、松竹大船撮影所のジオラマが設置されました。

映画好きにはたまらない展示の数々だと思います。「男はつらいよ」は、次第に昔の作品となってきていますが、古き良き日本の時代を感じるにはもってこいですね。

帰路も金町線で運用されている車両は変わらず。

行きは3500形で来ましたが、今度は3600形で京成高砂駅に向かい帰還しました。

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