C51形蒸気機関車
現在は鉄道博物館に保存されているC51 5号機。
(写真:青梅鉄道公園/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1919(大正8)年最高速度:95km/h
●1750ミリ動輪を採用し、その後の標準となった蒸気機関車
鉄道院(のち鉄道省)が開発した国産初の本格的な高速蒸気機関車で、8900形に続く機関車として企画したもの。そのため、登場時は18900形の形式が与えられた。その特徴は1750ミリ動輪という、設計当時の狭軌用蒸気機関車では世界最大の動輪直径を採用したことで、これ以後はC62形に至るまで後の国鉄旅客用大型蒸気機関車の標準動輪サイズとなった。18900形は最初の18両が鉄道院浜松工場で生産され、性能試験を行った後に汽車製造会社(大阪)・三菱造船所(神戸)にて合計289両が製造。1928(昭和3)年にC53形の登場により製造が終了すると共に、形式称号規定の変更によりC51形となった。
そして1930(昭和5)年からは、鉄道省が東海道本線の東京〜神戸で運転を開始した超特急「燕」の東京〜名古屋間の牽引機に抜擢。名古屋以西はC53形が担当し、東京〜神戸は9時間の運転に短縮した。戦時中は16両が陸軍の要請によって標準軌仕様に改造の上で中国に送られて華中鉄道で活躍。
国内に残ったC51形は戦後も様々な改造の上で使用されていたが、国鉄の動力近代化が進む中、いち早く廃車が進められて1966(昭和41)年に全機の運用が終了した。
●ギャラリー
梅小路蒸気機関車館で保存されているC51 239号機。
(撮影:裏辺金好)