EF58形


一般色のEF58形。写真は国鉄時代に荷物列車を牽引していたときの姿。
(写真:山陽本線 英賀保〜網干/撮影:ひょん君)

●基本データ

デビュー年:1946(昭和21)年
※後期形は1952(昭和27)年
保有会社:JR東日本/元保有会社:国鉄、JR東海JR西日本

●多くの鉄道ファンを魅了し続けた栄光の「ゴハチ」

 1946(昭和21)年から1948(昭和23)年に初期形が、1952(昭和27)年から1958(昭和33)年にかけて改良形が登場した。初期形は現在のEF58形と呼ばれる車両とは全く別の姿で、登場時期が終戦直後ともいうこともあり「準戦時型」の粗悪な構造と言っても過言ではない車両であった。

 1952(昭和27)年からは初期形とは全く別物とも言える半流線型を取り入れた改良形が登場。通常、「EF58」と呼ばれるのはこの改良形である。ちなみに改良形の登場と同時期に初期形も改良形に準じた車体に載せ替えられた。

 EF58形は特急「つばめ」「はと」を筆頭にブルートレイン用の塗装で寝台特急などの牽引、60、61号機に至ってはお召し列車牽引仕様となるなど様々なバリエーションが存在したが、国鉄民営化を前に定期運用が消滅し、JR移行時にはJR東日本、JR東海、JR西日本に4両が引き継がれた。

 さらに、1988(昭和63)年にJR東海で国鉄清算事業団から購入した157号機が車籍復帰を果たし、JR各社でイベント列車に従事してきたが、老朽化や客車列車の減少などにより、2011(平成23)年までに全車両が営業運転から退いている。

 現在、完全な状態で保存されているのはJR東日本の61号機、89号機(※鉄道博物館)、93号機、JR西日本の150号機(※京都鉄道博物館)、JR東海の157号機(※リニア・鉄道館)、碓氷峠鉄道文化むらの172号機となっている。
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●カラーバリエーション


茶色塗装の157号機。登場当初はこの色が標準であった。
(写真:リニア・鉄道館/撮影:裏辺金好)

青大将色と呼ばれる特急色の93号機。特急「つばめ」「はと」の牽引機用として登場した塗装である。
(写真:鉄道博物館/撮影:裏辺金好)

恵比寿でビアトレインとなったEF58 91号機。(※現存せず)
(写真:恵比寿駅付近/撮影:ひょん君)

●その他の現存機


JR東日本が保有する61号機。
(写真:東京総合車両センター/撮影:裏辺金好)

鉄道博物館で保存されている89号機は、運転台上に庇(ひさし)が付いている。
(写真:鉄道博物館/撮影:裏辺金好)


JR西日本が保管する150号機。現在は京都鉄道博物館で保存されている。
(写真1枚目:下関総合車両所/撮影:リン)
(写真2枚目:京都鉄道博物館/撮影:裏辺金好)

EF58 172号機は、一般色としては完全な形では現存唯一となった。
(写真:碓氷峠鉄道文化むら/撮影:裏辺金好)

以前はJR貨物の広島車両所でカットモデルとなっていた113号機。写真は2005(平成27)年時点で、現在は荒廃が目立つ状況である。
(写真:広島車両所/撮影:リン)

青大将塗装でカットモデルとなっている154号機。
(写真:大宮総合車両センター/撮影:裏辺金好)

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