EF66形電気機関車


最後の東海道・山陽ブルトレ「富士・はやぶさ」を牽引していた頃のEF66 0番台。
(写真:東海道本線 藤沢駅/撮影:リン)

●基本データ

デビュー年:1966(昭和41)年(試作車)/1968(昭和43)年(量産車)
保有会社:JR貨物/元・保有会社:国鉄・JR西日本

●次第に数を減らす国鉄の高速電気機関車

 1966(昭和41)年、EF90として試作車が登場。2年後に量産が開始されたのが、このEF66である。幹線区間の貨物列車の速度向上を目指して開発され、EF65の2倍という強力な出力を誇る。当初は貨物専用機だったが1985(昭和60)年からはブルートレインの牽引にも従事している。

 1989(平成元)年から1991(平成3)年にかけて、JR貨物では川崎重工業で100番台を33両新製。乗務員室に冷房装置が搭載されたほか、正面窓の大型化や、前面ライトの配置変更など外観デザインが一新されたほか、白い車体に濃淡の水色を配色したJR貨物独自の塗装に変更。

 また、1993(平成5)年からJR貨物所属の基本番台に対して延命工事が開始され、外観面では前面ナンバープレート部の装飾および前照灯間のステンレス飾り帯の撤去が特徴となっている。なお、当初の更新機はJR貨物オリジナルの白い車体に水色を配色したものであったが、後に国鉄色のイメージを強く残した塗装となっている。

 現在はJR貨物のみに所属。JR西日本では寝台特急「富士」「はやぶさ」廃止に伴い寝台特急運用を失い、2010(平成22)年9月20日付で全車が廃車となった。さらにJR貨物でも後継機の投入が進められていることから、国鉄時代に製造された0番台の廃車が進行。現在は27号機の身が活躍を続けており、注目の的となっている。

●バリエーション


JR貨物が保管しているEF66 1号機。毎年開催される広島車両所公開では様々なヘッドマークが取り付けられて展示。
(写真:広島車両所/撮影:裏辺金好)

EF66 1号機反対側は更新機時代の姿のまま国鉄色に復元されており、正面のステンレス飾り帯が撤去されたまま。
(写真:広島車両所/撮影:リン)

EF66 27号機。エアコン設置などの改造はあるが、原型に近い状態で現役最後の0番台として注目を集めている。
(写真:東海道本線 辻堂〜茅ヶ崎/撮影:裏辺金好)

JR貨物がEF66更新機に施した塗装。車体塗色を100番台機に準じたJR貨物標準色に変更し、正面のステンレス飾り帯を撤去した。
(写真:山陽本線 西条〜西高屋/撮影:リン)

JR貨物が2003(平成15)年以降に更新したEF66は、国鉄色風に車体を青15号、正面と車体裾部にクリーム色1号を配した姿。
(写真:広島車両所/撮影:リン)

国鉄色風のEF66更新車のうち、EF66 54号機のみ裾部が白色の帯だった。
(写真:東海道本線 甲南山手駅/撮影:ひょん君)

JR貨物が新造したEF66 100番台。ライト形状の変更、正面窓の大型化、上面が大きく傾斜させ3面構成のデザインとするなど一新。
(撮影:南武支線 浜川崎駅付近/撮影:リン)

JR貨物が新造したEF66 100番台の109号機以降は、さらにシステムの変更やライト形状の変更が行われ、車体裾部に 100 mm 幅の青色の帯が追加された。
(写真:東海道本線 清州駅/撮影:リン)

●保存車


鉄道博物館で展示されているEF66 11号機。JR貨物からJR東日本へ、展示用に譲渡されたもの。
(撮影:裏辺金好)

京都鉄道博物館で展示されているEF66 35号機。JR貨物からJR西日本へ、展示用に譲渡されたもの。
(撮影:裏辺金好)

嵯峨野観光鉄道のジオラマ・京都・JAPANでEF66 45、EF66 49の第1エンド側運転台部分が保存されている。なお第2エンド側前頭部は、EF66 45がさいたま市緑区美園6丁目9-10の「ほしあい眼科」、EF66 49が京都府木津川市木津川原田35-7のパン オ セーグルで保存されている。
(撮影:裏辺金好)

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