キハ11形一般形気動車


日本全国でよく見かける軽快気動車の顔に、湘南色の帯を巻く。
(写真:太多線 可児駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1988(昭和63)年
保有会社:JR東海、ひたちなか海浜鉄道、ミャンマー国鉄
運行区間:紀勢本線、参宮線、名松線、東海交通事業城北線
元運行区間:高山本線、太多線

●JR東海標準の一般形気動車

 JR東海が老朽化したキハ58系の取り替えと、ローカル線のワンマン化を目的として誕生させたディーゼルカー。
 新潟鐵工所(現、新潟トランシス)の第三セクター用気動車がベースであるが、エンジンはカミンズ製のものを搭載するなど、JR東海独自色も発揮されている。また、JR東海の関連会社である東海交通事業城北線にも200番台4両が導入されており、このうち201、202が城北線専従で、扉付近の保温対策の廃止やドア部のステップの廃止、外板塗色の変更を実施。残る203、204についてはJR東海のキハ11形100番台とJRマークも含めて同一仕様で、美濃太田車両区に配置されてJR線内で運用されることになった。

 1999(平成11)年にはキハ11形300番台が登場。車体をステンレスにし、車椅子対応トイレの設置、側窓の固定化、前照灯増設、エンジンの出力増強などが行われている。

 2015(平成27)年3月14日改正で、キハ25系2次車の投入や武豊線電化に伴うキハ25系とキハ75系の高山本線・太多線への転用に伴い、同線からキハ11形が大量離脱。さらに、同年8月1日には紀勢本線や参宮線でもキハ25系が運用を開始したことにより、0番台と100番台の運用が終了した。なお、3両(123・203・204)がひたちなか海浜鉄道へ譲渡されたほか、キハ40系と共にミャンマー国鉄へも多くの車両が譲渡されている。さらに、東海事業交通城北線で運用されているキハ11 201、202についても、ひたちなか海浜鉄道へ追加譲渡されることになり、代わりにキハ11形300番台の一部が東海事業交通へ移籍した。

 なお、かつては国鉄キハ11形というのも存在しており、形式名としては2代目の車両。

●バリエーション一覧


ステンレス車体になったほか、塗装が313系などと同様、オレンジ一色の帯になったキハ11系300番台。後ろはキハ11形0番台。
(写真:紀勢本線 新宮駅/撮影:裏辺金好)

東海交通事業城北線用のキハ11形200番台。
(写真:城北線 枇杷島駅/撮影:裏辺金好)

こちらも東海交通事業のキハ11形200番台(キハ11 204)であるが、完全にJR仕様となっている。
(写真:太多線 可児駅/撮影:裏辺金好)

従来車に代わって運用を開始した東海交通事業のキハ11形300番台。このうちキハ11 301はJR時代の塗装のまま、ロゴやステッカーを追加して運用。
(写真:城北線 枇杷島駅/撮影:ネオン)

ひたちなか海浜鉄道へ譲渡されたキハ11形。左からキハ11-203、キハ11-204、キハ11-123。
(写真:湊機関区/撮影:裏辺金好) ※乗車した列車から撮影


ひたちなか海浜鉄道塗装となったキハ11形。
(写真:湊線 那珂湊駅/撮影:裏辺金好)

●車内の様子


キハ11形0番台の車内。
(撮影:裏辺金好)

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