キハ160形一般形気動車


ハイブリッド車に改造される直前の姿で、日高本線オリジナル塗装。
(写真:苗穂工場/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1997(平成9)年
運転区間:JR北海道管内で試験中

●1両だけの希少車両、モータ・アシスト式ハイブリッドに改造へ

 踏切事故で廃車となった日高本線のキハ130−5の代替車両として新製された車体長18m級の軽快気動車で、1形式1両しか存在していないJRでは珍しい車両。新潟鐵工所(現、新潟トランシス)が製造を担当し、津軽鉄道の津軽21形をベースとして前面強化、駆動装置変更を行っておりキハ130形の課題を改善し、耐寒構造を高めている。

 内装と設備はキハ150形に準じており、ワンマン運転に対応した設備を備え、車内は中間に1+2配置のボックスシート、扉側にロングシートを配置。また、冷房装置は搭載していない。また、塗装は登場時にはキハ130形と同じくJR北海道の一般気動車向けの標準塗装だったが、のちに日高本線のキハ40形と共に、日高本線の独自塗装に変更された。
(下に続く)

●カラーバリエーション(ハイブリッド車改造後)


大胆なITTのレタリングが施された、改造後の姿。車体側面に“Innovative Technology Train”(ITT)のロゴが大きく描かれている。
(写真:苗穂工場/撮影:ちゃけ様)

 さて、2007年(平成19)年にモータ・アシスト式ハイブリッド(MAハイブリッド)を搭載した試験車両「ITT(Innovative Technology Train)」に改造。(株)日立ニコトランスミッションと共同で開発したシステムで、JR北海道の発表によると
(1)低速域ではエンジンを使わず、モーターによる走行が可能で、駅出発時の騒音を低減。
(2)アクティブシフト変速機により駆動効率が向上(従来の気動車と比較して15から20%の燃費改善)し、かつブレーキエネルギーをモーターで回生(電力に変換、再利用)するため、動力性能を向上させることが可能。
(3)エンジンの動力と、バッテリー、コンバータ/インバータ、モーターから得られる動力を協調させ、コストパフォーマンスが向上。
(4)変速時のショックをモーターが連続的に吸収しながら変速するため、乗心地が向上。
(5)排気ガス中の二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)を低減でき環境に優しい。
 であり、さらに従来タイプと比べてハイブリッドシステムの小型化が特徴で、既存の車両の改造も可能であるのが特徴で、別方式のJR東日本キハE200形ハイブリッド車両に比べて設置規模が小さく、コストも安い。

 2013(平成25)年12月20日付で廃車され、その役目を終えている。

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