300系新幹線


元祖「のぞみ」型新幹線。N700系の登場によって全車が2012年3月までに運用を離脱した。
(写真:こだま 小田原駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1990(平成2)年
元保有会社:JR東海、JR西日本 最高速度:270km/h
元使用列車:のぞみ、ひかり、こだま
元運行区間:東海道新幹線・山陽新幹線


●元祖「のぞみ」型新幹線

 300系は、0系・100系に代わり、大幅なスピードアップと車内設備の改良を目指し登場。
 車体は、材質鋼製からアルミ合金になり徹底的に軽量化が図られた。最高速度は270km/hと、100系の本性能と同じだが、100系が解決できなかった騒音問題対策を施し(車高を100系より40cm低くし、パンダグラフに巨大カバーを取り付けたことなど)、営業運転を可能にしたもので、実質的に0系以来、初のフルモデルチェンジ車である。ちなみに当初は、「スーパーひかり」のコードネームを持っていた。

 1992(平成4)年3月から新しい愛称である「のぞみ」として営業運転を開始。それまで速達タイプの「ひかり」、各駅停車の「こだま」の2本立てだった東海道・山陽新幹線の上位に位置する愛称となる。

 最初は早朝深夜の1往復で、東京、新横浜、新大阪のみの停車だった。翌年3月のダイヤ改正より毎時1本体制になり、東京・新横浜・名古屋・京都・新大阪・新神戸・岡山・広島・小倉・博多に停車するようになった。これにより、東京〜博多間を最短5時間11分に短縮した。ただし、お値段も高くなっている。

 その後、300系はJR西日本でも増備(300系3000番台)されるなど、「のぞみ」型車両として大勢力を築き、人々に親しまれるが、後継車両である700系の大量投入が行われると、「のぞみ」運用から撤退。約8年程の「のぞみ」運用であった。ところが品川駅開業移行に併せた「のぞみ」主体ダイヤへの移行により、再び運用に復帰した。

 2007(平成19)年よりN700系が登場すると、これと入れ替わる形で300系の廃車が本格化。JR西日本の車両も2011(平成23)年より、JR東海から移籍した700系によって置き換えが始まり、双方とも2012(平成24)年3月17日改正で引退した。なお、試作車と量産車の先頭車が1両ずつ愛知県名古屋市の「リニア・鉄道館」で保存されている。

●車内の様子など


300系の普通車車内
(撮影:裏辺金好)

300系のグリーン車車内
(撮影:裏辺金好)

2003年10月1日ダイヤ改正に合わせて300系・700系に貼られてたステッカー。TOKIOによる宣伝に合わせ「AMBITIOUS JAPAN! のぞみはかなう」とPRされた。
(写真:こだま 品川駅/撮影:裏辺金好)

300系の引退を記念して側面に描かれた文字。
(写真:のぞみ 名古屋駅/撮影:裏辺金好)

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