E231系一般形電車


山手線用のE231系500番台は前面形状を変更。車内は液晶ディスプレイによる案内が行われるなど、仕様はかなり変わっている。
(写真:山手線 有楽町駅/撮影:デューク)

●基本データ・運用区間

デビュー年:1999(平成11)年(試作車)、2000(平成12)年(量産車)
保有会社:JR東日本
運行区間:山手線、中央・総武線(各駅停車)、常磐線、成田線、武蔵野線、京葉線、東北本線(宇都宮線)、高崎線、湘南新宿ライン、東海道本線、伊東線、横須賀線、八高線、川越線、東京メトロ東西線

●JR東日本の新標準電車

 209系の登場以後、JR東日本は通勤形と近郊形という枠組みを撤廃する方向で動き始めていた。その第一弾がE217系で、近郊形としては初めて4ドアを採用し、外観上は車幅を除けば通勤型にしか見えなくなった。車内設備もグリーン車の存在や一部にセミクロスシートを採用したこともあったが、基本的にはロングシートであった。

 E231系は列車情報管理システム「TIMS(ティムス)」の採用で各種車載機器を一括することが可能となり、機器毎に独立していた配線等を大幅に整理。また、近郊型としての性格も併せ持っているため、最高速度は120km/hに向上しているが、歯車比を通勤形と同じにしているため、回転数を向上させた主電動機を採用している。これは209系やE217系のものを改良したもので、お互いに互換性はある。

 E231系は1998(平成10)年に東急車輛製造及びJR東日本新津車両製作所で、試作車両である209系950番台(のちE231系900番台)が登場したのが始まり。1999(平成11)年3月27日から中央・総武線で運転を開始した。

 さらに、2000(平成12)年3月13日から量産車であるE231系0番台が中央・総武線に投入され、およそ2年ほどで同線の103系、201系、205系を駆逐してしまった。

 それとほぼ時を同じくして宇都宮線、高崎線にも投入された。こちらは近郊バージョンの1000番台であり、先頭車の衝撃吸収構造などの特徴がある。こちらも速いペースで投入が進み、湘南新宿ラインの運転開始と同時に高崎線から115系を駆逐した。

 さらに2002(平成14)年には山手線用に500番台、常磐線用の0番台が相次いで登場し、2003(平成15)年には地下鉄東西線直通用の800番台が登場した。E231系は引き続き東海道本線、伊東線の113系を追い出し、2006(平成18)年度まで増備が続き、総数は2000両をはるかに越え、JR化後に誕生した形式としては当時、最多形式となった。

 また、E231系は首都圏の私鉄各社にも大きな影響を与えており、相模鉄道では、そっくりそのまま導入したといっても過言ではない10000系が登場。東急でも基本的な部品を共通して使用できる5000系が登場している。

●カラーバリエーション一覧


 中央・総武線(各駅停車)のE231系0番台。同線の209系とは車両の形状そのものはほとんど違いがないが、パンタグラフの向きが違ったり、側窓の色が違う。また、先頭部のFRPの部分がシルバーになっていて、乗務員室の扉が黄色くなっているのも相違点だ。以前は5号車に6扉車が連結されていた。
(写真:中央線 西荻窪駅/撮影:デューク)

 中央・総武線(各駅停車)のE231系500番台。E235系投入に伴い、山手線から転属した車両。
(写真:総武線 秋葉原駅/撮影:裏辺金好)

2009年に運転された山手線命名100周年ラッピング列車。
(写真:山手線 神田駅/撮影:裏辺金好)

グリーン車2両を組み込む東海道線、東北本線、高崎線用のE231系。Suicaシステムとあわせ、首都圏の在来線グリーン車をいよいよ一般的な存在にした。
(写真:東海道本線 藤沢〜大船/撮影:裏辺金好)

 中央・総武線(各駅停車)と同じく0番台が投入された常磐線・成田線。しかし、かなりマイナーチェンジされており、情報サービスが強化され自動放送も実施。また、15両での運転が行われ、それにあわせスカートの形状が変わっている。
(写真:常磐線 北小金駅/撮影:デューク)

2021(令和3)年4月30日から運転を開始したスカ色のE231系(マト139編成)。成田線(我孫子駅〜成田駅間)開業120周年記念事業の一環で、113系をイメージしたもの。当初は成田線内のみで運転されていたが、6月2日からは常磐線でも運行を開始。
(写真:成田線 我孫子駅/撮影:裏辺金好)

 2017(平成29)年11月から営業運転を開始した武蔵野線・京葉線用のE231系。山手線のE231系500番台が中央・総武線へ転属したことに伴い、玉突きで既存のE231系が転用されたもの。
(写真:京葉線 新習志野駅/撮影:デューク)

 2018(平成30)年2月から営業運転を開始した八高線・川越線用のE231系3000番台。山手線のE231系500番台が中央・総武線へ転属したことに伴い、玉突きで既存のE231系が転用されたもので、4両編成に短縮の上で半自動ドアボタンなどを設置。
(写真:八高線 東飯能駅/撮影:裏辺金好)

 地下鉄東西線に直通する仕様として登場したのが800番台。E231系としては唯一車幅が狭い車両で、209系1000番台と酷似している。地下鉄へ直通するため、10両編成だが、6M4Tの強力な編成となっている。
(写真:中央線 三鷹駅/撮影:デューク)

山手線みどり色(ウグイス色)の50周年を記念した「みどりの山手線ラッピングトレイン」。2012年1月13日より運転を開始し、約1年間営業運転に就いた。
(写真:山手線 西日暮里駅/撮影:裏辺金好)

東京駅開業100周年記念のラッピング列車。レンガ色の車体をベースに東京駅の今昔写真を車外に掲出。2014(平成26)年から10月11日から翌年3月31日まで運行。
(写真:山手線 神田駅/撮影:裏辺金好)

●車内の様子


中央・総武線用の0番台車内。
(撮影:裏辺金好)

山手線や中央・総武線用で活躍する500番台の車内。
(撮影:裏辺金好)


山手線で活躍した6ドア車(サハE230形500番台)の車内。
(撮影:リン)

山手線や中央・総武線用で活躍する500番台は、扉上に2基の液晶ディスプレイ (LCD) が設置されている。
(撮影:裏辺金好)

地下鉄東西線直通用の800番台車内。
(撮影:裏辺金好)

東海道線、宇都宮線、高崎線などで活躍する近郊タイプのセミクロスシート車。1、2、14、15号車のほか、国府津車両センター所属車両は9、10号車も該当。
(撮影:裏辺金好)

東海道線、宇都宮線、高崎線などで活躍する近郊タイプのロングシート車。
(撮影:裏辺金好)

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