253系特急形電車
空港アクセス特急から一転、日光・鬼怒川方面の観光特急となった253系1000番台。
(写真:東武日光線 下今市駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1991(平成3)年保有会社:JR東日本、長野電鉄
最高速度:130km/h
使用列車:日光、きぬがわ
元使用列車:成田エクスプレス
運行区間:湘南新宿ライン(東北本線)、東武鉄道日光線、長野電鉄長野線など
元運行区間:東海道本線、中央本線、総武本線、成田線、横須賀線など
●成田空港アクセス列車から、日光・鬼怒川、そして長野の足へ
通称N'EX。登場から2010(平成22)年までは特急「成田エクスプレス」に限定運用されていた。3両編成と6両編成が基本のため、増結、分割併合が容易で、3両・6両・9両・12両と様々な運用をこなすのが特徴。京成電鉄の特急「スカイライナー」と共に、成田空港へのアクセス特急用の車両として登場した。制御方式は251系をベースにした界磁添加励磁制御で、車内の座席は登場時にはボックス式クロスシート(座席間隔2040mm)という、日本の特急では珍しいものであった。しかし荷物の少ない乗客からは不評だったようで、2003〜04年に集団見合い式のシート配列に改造されている。
なお、この車両を使用して成田空港に行く列車はすべて「成田エクスプレス」。そのため、八王子方面から、横浜方面から、大宮方面から、新宿方面から・・・など、首都圏の各地から運転されるが、すべて同一の愛称となっている。
2002(平成14)年度に、W杯輸送に関連して久し振りに増備が行われた。側面行先方向幕がLED方式に変更された他は、主要機器面での基本的な変更はないがバリアフリーに対応した装置が付けられたほか、このときから普通車の座席を2人掛けの回転リクライニングシートに変更されるなど、座席面が大きく見直された。
このように比較的最近に製造された車両であるが、2009(平成21)年10月から「成田エクスプレス」へ新型車両E259系の投入が開始され、2010(平成22)年6月末で特急「成田エクスプレス」運用から撤退。7月17日にラストランを行った。
多くの車両が廃車となる一方、3両編成×2編成が長野電鉄に譲渡され2100系「スノーモンキー」となった。2011(平成23)年2月より運行を開始し、当初はロゴの変更などが行われたほかは、基本的にはJR時代と変わらぬ内装・外装となっていたが、現在は1編成は長野電鉄オリジナル塗装となっている。
また、200番台6両編成×2本が、内外装リニューアルおよび制御方式をVVVFインバータへの変更を受け、1000番台として再登場。特急「日光」「きぬがわ」用485系、189系を置き換え、2011(平成23)年4月16日より運転を開始する予定だったが、東日本大震災の影響で延期され、6月4日から運転を開始した。
●253系0番台
赤と白と黒を効果的に配したデザインは、人々の注目を集めていた。
(写真:山手線 五反田駅より/撮影:裏辺金好)
●長野電鉄2100系
NERのロゴが目立つが、一見すると長野エクスプレスと見間違えるほどの2100系。
(写真:長野線 須坂駅/撮影:リン)
●車内の様子
0番台普通車の車内。(撮影:裏辺金好)
現在も活躍する特急「日光」「きぬがわ」用1000番台の普通車車内。(撮影:裏辺金好)