E257系特急形電車


特急「あずさ」「かいじ」用E257系0番台。2タイプある先頭車のうち、こちらは非貫通型。
(写真:特急あずさ 中央本線 国分寺駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:2001(平成13)年
保有会社:JR東日本
最高速度:130km/h
使用列車:踊り子、湘南、草津・四万、あかぎ、わかしお、さざなみ、しおさい、富士回遊(臨時)
元使用列車:あずさ、かいじ、あやめ、中央ライナー、青梅ライナー
運行区間:東海道本線、伊東線、伊豆急行線、伊豆箱根鉄道駿豆線、宇都宮線、高崎線、上越線、京葉線、総武本線、成田線、外房線、内房線、中央本線など

●東京と周辺を結ぶJRの切り札

 E257系は高速バスとの競争激化にさらされる、中央本線の特急「あずさ」「かいじ」用183系の後継車両として、2001(平成13)年に0番台が登場した。車両塗装は白をベースに、1両ごとに違った色の配色の、ブロックパターンの模様が描かれ、またドアの扉横には中央線沿線の名所イラストがロゴで描かれている。

 編成は9両が基本で、これに2両編成が増結され11両になることも。9両編成は前後で2種類の顔を持ち、さらに中間車に簡易運転台をつけただけの異色の車両も存在するが、こちらは営業運転では先頭に立たない。また、グリーン車を持つが、半室だけとなっている。

 2004(平成16)年10月改正からは、房総半島の特急「わかしお」「さざなみ」に500番台が投入された。こちらは5両編成が基本で、2編成連結の10両で運転されることもある。塗装は同線を走る255系「ビューわかしお」などの塗装をベースとしたものとなっているほか、0番台と異なり先頭車は貫通型の1種類のみ存在。また、グリーン車は存在しない。

 0番台・500番台を合わせて249両(松本に154両・幕張に95両)が登場し、一時はJRが製造した特急の中で、系列別に見ると最多両数を誇っていたが、JR西日本の683系が大量増備されたことにより、その座を譲った。

 2019(平成31)年3月16日改正では中央本線の特急「あずさ」「かいじ」の定期運用から撤退。大半の車両は0番台から2000番台となり、リニューアルの上で伊豆の空と海の色をイメージした「ペニンシュラブルー」を基調としたデザインに変更。2020(令和2)年3月14日改正から特急「踊り子」に転用された。2021(令和3)年3月13日改正では、従来の湘南ライナーなどを置き換える形で運転を開始した特急「湘南」としても運転されているほか、500番台の一部が2500番台となり、伊豆箱根鉄道駿豆線直通の「踊り子」などに充当されている。

 このほか、リニューアルされなかった0番台や500番台の一部も機器更新工事、緑色をアクセントカラーにした塗装変更を実施の上で、それぞれ5000番台または5500番台化され、大宮総合車両センター東大宮センターに転属している。

 2023(令和5)年3月18日改正からは、特急「草津・四万」「あかぎ」で5500番台(一部は2500番台)が運用されている。

●バリエーション一覧


特急「あずさ」「かいじ」用E257系0番台。こちらは排障器が大型化される前の編成。
(写真:中央本線 西荻窪駅/撮影:裏辺金好)

あずさ・かいじ用0番台の貫通型先頭車。
(写真:特急かいじ 中央本線 国立駅/撮影:裏辺金好)

房総特急用のE257系500番台は貫通型先頭車のみ存在し、5両編成×2本の10両編成が組める。なお、0番台の貫通型先頭車とは形状が若干異なる。
(写真:特急わかしお 京葉線 市川塩浜駅/撮影:裏辺金好)


2022(令和4)年から翌年3月中旬の予定で運転されるNB-01編成(幕張車両センター所属)による特急「わかしお」「さざなみ」運行開始50周年記念ラッピング。
(写真:特急わかしお 京葉線 東京駅/撮影:裏辺金好)

豊田車両センターに常駐するE257系500番台のうち、NB−10編成は赤色を基調としたロゴマークに変更されていた。現在は5500番台化及び塗装変更され、大宮総合車両センター東大宮センターのOM−53編成となっている。
(写真:特急富士回遊 中央本線 新宿駅/撮影:裏辺金好)

豊田車両センターに常駐するE257系500番台のうち、NB−11編成は灰色を基調としたロゴマークに変更されている。
(写真:快速足利藤まつり号 東海道本線 東京駅/撮影:裏辺金好)

豊田車両センターに常駐するE257系500番台のうち、NB−12編成は緑色を基調としたロゴマークに変更されている。
(写真:東海道本線 国府津駅/撮影:裏辺金好)


特急「踊り子」に転用されたE257系。0番台をリニューアルした車両は2000番台に改番されている。
(写真:東海道本線 辻堂〜茅ヶ崎/撮影:裏辺金好)

特急「踊り子」に転用されたE257系。500番台をリニューアルした車両は2500番台に改番され、伊豆箱根鉄道駿豆線へ直通。東海道線内では東京方に連結される。
(写真:東海道本線 戸塚駅/撮影:裏辺金好)


波動用輸送に使用される大宮総合車両センター東大宮センターのE257系5000番台(0番台から改造)、5500番台(500番台から改造)は、2000番台の塗装をベースにアクセントカラーを緑にしている。こちらは5000番台で、クハE257形5100番台の貫通扉が埋められて非貫通となったのが特徴。
(写真:中央本線 大月駅/撮影:裏辺金好)

こちらは大宮総合車両センター東大宮センターのE257系5500番台。
(写真:東海道本線 大船駅/撮影:裏辺金好)

製造直後の姿。まだ前面にロゴは貼られておらず、愛称の表示も素っ気ない。
(写真:試運転 日野駅/撮影:裏辺金好)

同じく製造直後の姿。こちらもまだロゴは貼られていない。
(写真:回送列車 中野駅/撮影:裏辺金好)

●車内の様子


あずさ・かいじ用0番台の普通車車内。
(撮影:裏辺金好)

あずさ・かいじ用0番台のグリーン車車内。
(撮影:裏辺金好)

あずさ・かいじ用0番台の車内。8号車と9号車の間にはフリースペースが設けられている。
(撮影:裏辺金好)

房総特急用500番台の普通車車内。
(撮影:裏辺金好)


特急「踊り子」「湘南」用にリニューアルされた2000番台、2500番台の普通車車内。「ペニンシュラブルー」を基調としたデザインのモケットに交換されたほか、指定席発売状況確認ランプの設置、窓側へコンセントが設置されている。
(撮影:裏辺金好)

特急「踊り子」「湘南」用にリニューアルされた2000番台のグリーン車車内。普通車と共通イメージで「ペニンシュラブルー」を基調としたデザインのモケットに交換されたほか、床のカーペットも黒を基調としたものへ交換されている。
(撮影:裏辺金好)

●細部など


E257系500番台(左)と0番台(右)の貫通型先頭車の形状比較。
(写真:中央本線 新宿駅/撮影:裏辺金好)


0番台・500番台の愛称・行先表示のデザイン。
(撮影:裏辺金好)


2000番台・2500番台の愛称・行先表示のデザイン。3色LEDのままであるが、デザインは若干変更。
(撮影:裏辺金好)

↑ PAGE TOP