315系一般形電車


まずは8両編成が投入された315系。
(写真:中央本線 名古屋駅/撮影:ネオン)

●基本データ

デビュー年:2021(令和3)年 ※営業運転開始は翌年
運行区間:中央本線、愛知環状鉄道線、関西本線

●日本車両製造の次世代ブランド「N-QUALIS(エヌクオリス)」第1号

 JR東海発足初期までに投入された211系、213系、311系の置き換えを目的に投入された一般形電車で、2021(令和3)年度から2025(令和7)年度までに8両編成×23本=184両、4両編成×42本=168両の計352両が登場予定である。

 JR東海の子会社である日本車両製造が製造を担当し、「安全」「品質」「保守」の3つを主体とした新しいブランド「N-QUALIS」第1号として、構造部材の効率的な配置による車両強度の向上と、表面の平滑化、構体シール箇所の削減や、台車等の異常を早期に検知する状態監視技術の採用が特徴である。

 外観のデザインコンセプトは「先進性×親近感」で、直線を使用した幾何学的な前面形状に高輝度LEDの前照灯を配置した「先進性」と、長く親しまれているホワイトとコーポレートカラーのオレンジを調和させた配色による「親近感」を柱としている。

 車内はオールロングシートで、デザインコンセプトは「優しく安心感のある快適な移動空間」。天井を高くし、床面から腰掛、天井に向けて色味を明るくするグラデーションにより空間の広がりを表現した。また、211系と比べてホームとの段差を5cm縮小したほか、車椅子対応トイレや全車両への車椅子スペースを設けるなどバリアフリー設備を充実。

 セキュリティ対策としては、車内防犯カメラを1両に5か所設置したほか、1両につき3箇所に非常通話装置を設置している。また、LCD(液晶案内装置)を1両につき6か所設置している。

 システム面ではモーターを駆動する電力変換装置にSiC素子を導入するなど、省エネルギー化を図り、211系と比べて電力消費量を約35%低減。また、停電時でも最寄り駅まで自力走行する非常走行用蓄電装置、イーサネットによる制御伝送装置、ドア開閉速度を検知することで、戸挟み検知精度を向上させた電気駆動式ドアシステムを採用している。さらに、空調装置には国内初であるAIによる自動学習・制御最適化機能を導入した。

 2022(令和4)年3月5日から中央本線の名古屋〜中津川間で営業運転を開始している。続いて2023(令和5)年6月1日からは4両編成である3000番台が関西本線で営業運転を開始。3000番台は先頭車前面に貫通幌と電気連結器が付き、排障器の形状が異なっているほか、側面に安全確認カメラが取り付けられている。

●車内の様子など


天井を高くし、床面の色を中から外に向かって色を濃くするグラデーションを採用。また、袖仕切りに透明ガラスを入れている。
(撮影:裏辺金好)


優先席は座席、床面共にオレンジ色を基調としたデザイン。
(撮影:裏辺金好)


カラーユニバーサルデザインに対応したフルカラー液晶ディスプレイの表示器。
(撮影:裏辺金好)

車外の行先表示器。
(撮影:裏辺金好)

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