651系特急形電車


登場時の651系。常磐線で最大11両編成を組んで活躍。
(写真:特急スーパーひたち 常磐線 北松戸駅/撮影:デューク)

●基本データ・運用区間

デビュー年:1989年
保有会社:JR東日本
最高速度:130km/h
元使用列車:あかぎ、スワローあかぎ、草津、スーパーひたち、フレッシュひたち
元運行区間:常磐線、東北本線、高崎線、上越線、吾妻線

●JR東日本が初めて登場させた特急電車

 JR東日本が発足して、最初に新設計し新造したのが、この651系である。485系で運転されていた特急「ひたち」(常磐線)の一部を置き換え、特急「スーパーひたち」として投入した。

 この純白のボディーを先頭車のボンネット上部の灰色が引き締め、まさに特急と呼ぶにふさわしいデザイン。さらになんと言っても、当時としては珍しい、大型のLEDトレインマークを採用したことが特徴。様々な情報を交互に表示することが出来、大変画期的な仕組みとして評価された。車内設備も485系から一新し、座席も幅が広くなり快適に。ビジネス客を中心に大好評となった。

 編成は7両編成を基本に、4両編成の付属編成が存在し、需要と運転区間に合わせて使用。後に、一部の「フレッシュひたち」としても運転されたほか、震災前までは「スーパーひたち」の一部が仙台まで顔を出し、新幹線が停車しない常磐線沿線の住民の足として働いていた。

 2012(平成24)年3月17日改正では後継車両としてE657系が投入され、651系を使用する列車は激減。そして2013(平成25)年3月16日改正で定期運用を失ったが、2013(平成25)年10月1日から2015(平成27)年3月頃まで、特急フレッシュひたち4号と、フレッシュひたち61号に充当された。

 これはE657系への改造工事(座席上方への指定席発売状況確認用LEDランプ取付け)が行われることに伴い、一時的に代替車両を確保するためで、651系にとっては「ひたち」へ奇跡のカムバックとなった。

 さらに、2014(平成26)年3月15日改正では、高崎線の特急「あかぎ」「草津」系統へ投入。交流機器の使用停止処置などを行った651系1000番台に改造された7両編成が主に使用されるほか、当初は付属編成として4両編成も存在した。側面窓下にオレンジ色のラインが追加されたのが特徴。なお、平日の「あかぎ」の大半は、全車指定席の「スワローあかぎ」の愛称で運転されている。

 老朽化に伴い、2023(令和5)年3月18日改正でE257系5500番台などに置き換えられ、定期運用を離脱した。

 また、2016(平成28)年7月16日からは、4両編成の651系1000番台(OM301編成)を改造した観光列車「伊豆クレイル」が小田原〜伊豆急下田間で運転を開始。外観は薄いピンク色とし、車内は
 1号車・・・海側に面したカウンターの2人掛席と、山側に面した対面式の席を備える。
 2号車・・・バーカウンターとラウンジを備え、お酒やおつまみ等を販売のほか、伊豆の見どころなどを紹介する大型のディスプレイを設置。
 3号車・・・全室が海側に面したコンパートメント席
 4号車・・・回転式リクライニングシートと固定式ボックスシート
 という構成に改造されたが、運行開始から僅か4年弱の2020(令和2)年3月29日に営業運転を終了し、廃車されている。

●カラーバリエーション


高崎線の特急「あかぎ」「草津」などで使用された651系1000番台。側面窓下にオレンジ色のラインが追加された。
(写真:吾妻線 小野上駅/撮影:裏辺金好)

小田原〜伊豆急下田間を結んだ観光列車「伊豆クレイル」。車内の様子などはこちら
(写真:東海道本線 熱海駅/撮影:裏辺金好)

●車内の様子など


普通車車内の様子。(撮影:裏辺金好)


グリーン車車内の様子。(撮影:裏辺金好)

「スワローサービス」の案内。(撮影:裏辺金好)

水戸の偕楽園が見ごろの春には、一部列車に偕楽園と梅の風景をイラスト表示。(撮影:裏辺金好)


常磐線特急運用から退いたのち、一部の651系0番台のヘッドマークがフルカラーLED化されたが、営業運転では使用されることなく廃車された。
(写真:豊田車両センター/撮影:裏辺金好)

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