関西電力(関電トンネルトロリーバス)


●解説

 関西地方に電気を発送電する電力会社として知られる関西電力は、実は鉄道事業者である。戦後急増した電力需要に対応するため建設した、黒部ダム・黒部川第4水力発電所の資材輸送のため、1958(昭和33)年に貫通した関電トンネルを利用し、扇沢と黒部ダムの間6.1kmを結ぶ関電トンネルトロリーバス(無軌条電車)を直営で運営している。
 関電トンネルトロリーバスは1964(昭和39)年8月1日に開通し、1971(昭和46)年には立山黒部アルペンルートの全通により、その一部として機能するようになった。翌年1972(昭和47年)には横浜市交通局トロリーバスの廃止により、1996(平成8)年に同じアルペンルートの立山トンネルバスがトロリーバスに変更されるまでは、日本唯一のトロリーバスであった。
 なお、路線の大部分を占める関電トンネルは、かつてNHKの「プロジェクトX」などで紹介されたように大量の出水と岩盤崩壊に悩まされた破砕帯を過するなど、大変な難工事であった。また、現在でも黒部ダムへの資材輸送に使用されるため、トラックなどが通行することもあるようだ。
 2019年からは充電式電気バスに転換されるため、鉄道事業としては廃止となる。なお、新たなバスは車載パンタグラフからの急速充電で蓄電池に充電する方式。引き続いて他では見られない、独特な景観が見られることには変わりない。
 (本文:U-lineのA)

 ■保有車両&もと保有車両

▲100形・200形
▲300形

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