名古屋鉄道キハ8000系


誕生当時は国鉄急行色風だったが、運用後期は国鉄特急色風に運転台窓下に羽根状の帯を入れた、キハ80系に通じるデザインとなった。
(写真:高山本線 富山駅/撮影:CH ※禁転載)

●基本データ

デビュー年:1965(昭和40)年
元運行区間:名古屋鉄道犬山線、JR高山本線、富山地方鉄道本線、立山線など

●富山地方鉄道にまで足を伸ばした国鉄風特急

 1965(昭和40)年8月に誕生した準急「たかやま」(名鉄神宮前〜高山)間の専用車として投入された、名古屋地方鉄道の気動車。国鉄高山本線に乗り入れて、名鉄沿線から高山へ観光客を輸送する列車として好評を博し、翌年3月には国鉄の称号改正に合わせて、急行列車に格上げされた。

 1970(昭和45)年7月15日からは車両を6両増備の上で12両体制とし、夏季(4〜11月)は国鉄高山本線の飛騨古川駅〜富山地方鉄道立山線の立山駅までの延長運転を行い、3鉄道の直通運転を開始。 これに伴い列車名は「北アルプス」と変更され、1976(昭和51)年10月には特急列車へ格上げされて、運転台窓下に羽根状の帯が追加された。

 立山駅乗り入れは1983(昭和58)年夏まで続き、以後は一時的に飛騨古川駅まで短縮された後、1985(昭和60)年からは富山駅まで再延長された。一方、国鉄が分割民営化されてJR東海が発足すると、同社は1989(平成元)年に高山方面への特急「ひだ」に新鋭のキハ85系を投入。

 設備が見劣りするようになったキハ8000系は、1990(平成2)年に運転区間を高山駅へ短縮。そして翌年に後継車両であるキハ8500系が投入されたことにより、全車が引退した。  

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