相模鉄道20000系


特徴的なフロントマスクの20000系。2022(令和4)年からは3桁の編成番号ステッカーを前面左上に掲出している。
(写真:相鉄本線 かしわ台駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:2017(平成29)年 ※営業運転開始は翌年
運行区間:相鉄本線、いずみ野線、相鉄新横浜線、東急新横浜線、東京メトロ副都心線、都営三田線、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線

●東急線直通に向けたフラッグシップ車両

 相模鉄道が2022年度下期に開業する予定の相鉄・東急直通線の車両として開発されたもので、日立製作所笠戸事業所で製造。開発コンセプトは、安全×安心×エレガント 〜目先のトレンドに左右されない「醸成するデザイン」〜。製造当初から相鉄の新デザインである「ヨコハマネイビーブルー」1色に塗られている。

 10両編成の20000系と、8両編成の21000系が存在し、車体は日立によるA-train規格でアルミニウム合金製。複雑な形状の先頭部が特徴で、東急目黒線、都営地下鉄三田線方面の直通に対応するため、前面に貫通扉を設置し、相鉄の従来車両より車体幅を20cm程度縮小。

 また、新型素子(SiC素子)を採用したVVVFインバータ制御装置と高効率電動機の併用や、室内灯・各種灯火類のLED化により消費電力を低減。車両情報統合システムは、日立製作所が開発した「Synaptra」を採用している。

 車内は広々感を出すために、中央部を高くした天井と、透明素材(強化ガラス)を使用した座席端部の仕切り板・貫通路・荷棚や荷棚まで届く形状とした座席仕切り板が特徴であるほか、相鉄の特徴であった日差しを遮る「ブラインド」と「車内の鏡」が復活している。

 また、第1編成では車内サイネージとして21.5インチの大型液晶表示器(LCD)を扉上に1個設置したのに加え、天井中央の枕木方向にも配置されている。第2編成以降は天井部のLCDが廃止され、側面ドア上に各2枚の配置に変更されている。

 2018(平成30)年2月11日に第1編成が営業運転を開始し、2020年(令和2)年度に第2編成〜第7編成が登場(10両編成×7本=計70両)。さらに、2022(令和4)年9月からは8両編成版の21000系が営業運転を開始し、2023(令和5)年度までに8両編成×9本=72両が導入された。

 直通先の運用としては、20000系は主に東急東横線・東京メトロ副都心線、21000系は主に東急目黒線・都営三田線・埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線方面で使用されている。

●細部・車内の様子など


登場時の20000系。前面左上への編成番号ステッカーは貼られていなかった。
(写真:相鉄本線 かしわ台駅/撮影:裏辺金好)

8両編成バージョンの21000系。8CARSのステッカーを前面に掲出している。
(写真:相鉄本線 二俣川駅/撮影:裏辺金好)

相鉄・東急新横浜線開業ステッカーを掲出した20000系。相鉄の「そうにゃん」と、東急の「のるるん」が顔を出している。
(写真:相鉄本線 二俣川駅/撮影:裏辺金好)

先頭部のライト形状。
(撮影:裏辺金好)


20101編成(第1編成)車内の様子。灰色系を基調としたシートで、優先席は赤色を基調としたモケット。また、時間帯によってLED照明の色調が変化する。
(撮影:裏辺金好)



20102編成(第2編成)車内の様子。LCDの配置変更など、第1編成から細部が変更されている。
(撮影:裏辺金好)

第1編成の特徴である、側面ドア上の運行情報用LCDと、通路上部設置された広告表示のLCDが設置。21.5インチの大型案内表示器で、「Sotetsu Infovision System (SIS)」と呼ばれる。
(撮影:裏辺金好)

第2編成からは側面ドア上へLCDを2つ設置する方式に改められたほか、設置場所の色彩も黒色から変更されている。
(撮影:裏辺金好)

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