東武鉄道100型


東武日光駅前で保存されている109号。岡山電気軌道では3010号として活躍した車両。
(写真:東武日光駅前/撮影:与太郎)

●基本データ

デビュー年:1954(昭和29)年
運行区間:岡山電気軌道東山線
元、運行区間:日光軌道線、岡山電気軌道清輝橋線

●現在も岡山で現役の、東武の路面電車

 1947(昭和22)年に、東武鉄道は日光の路面電車である日光軌道を買収し、ブームになった日光輸送の一翼を担わせることになった。これに伴い投入されたのが、100型と200型で、両方とも国鉄の80系湘南電車の流れを汲む正面2枚窓が特徴的である。しかし、利用客の不振に伴い日光軌道線は1968(昭和43)年に廃止となり、100型は10両が岡山市の岡山電気軌道に移籍することになった。

 冷房装置が無いことから、後継車両の投入によって次々と活躍の場を失っていったが、現在でも2両が岡山電気軌道で活躍。このうち3007号はJR九州の車両デザインなどで高い評価を得ている水戸岡鋭治氏によって、KUROとしてイメージを一新(岡山城をイメージとした)。また、3005号は東武日光軌道線時代の塗装に復元されて活躍している。

 なお、2013(平成25)年に引退した3010号(東武時代は109号)は、日光軌道線時代の塗装に復元されてラストランを行い、栃木県日光市の観光施設「日光霧降高原チロリン村」に寄贈された。2020(令和2)年3月からは東武日光駅まで保存されている。

●バリエーション一覧(岡山電気軌道)


岡山電気軌道に10両が移籍して活躍。現在残る2両のうち、3005号は東武日光線時代の塗装に復元。
(写真:岡山電気軌道 西川緑道公園停留場/撮影:リン)

KUROとして大幅なリニューアルを実施された3007号。JR九州等の鉄道デザインでおなじみ、水戸岡氏による。
(写真:岡山電気軌道 城下停留場/撮影:裏辺金好)

日光軌道線時代のカラーで引退した3010号。3007号と異なり、側面への車番表記等はない。
(写真:岡山電気軌道 西川緑道公園〜柳川/撮影:裏辺金好)

ピアノ電車として、白黒の車体にピアノの鍵盤が描かれていた頃の3010号。
(写真:岡山電気軌道 東山工場※許可を得て撮影/撮影:裏辺金好)

●車内の様子


2013年に引退した3010号の車内。
(撮影:裏辺金好)

「KURO」としてリニューアルされた3007号の車内。木の椅子へと、ある意味でグレードダウンし、乗り心地の面では・・・。
(撮影:リン)

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