183系は、房総半島の急行列車の特急格上げを目的として登場した車両。その後、1972(昭和47)年10月2日改正から中央本線を代表する特急「あずさ」(新宿〜松本など)に181系に混じって臨時で活躍を開始し、翌年10月1日改正で正式に運用を開始します。以後、181系に代わって碓氷峠対応の189系と共に活躍を続け、1987(昭和62)年12月26日より”グレードアップ編成”として改造された車両が、独自の塗装で運用を開始しました。
また、1988(昭和63)年3月13日改正からは、甲府行きの列車が「かいじ」として分離され、ここに「かいじ」の歴史が始まります。さらに、1992(平成4)年7月21日からは、フォギーグレーを基調に、アルパインブルーとファンタジーバイオレットをまとった塗装に変更した車両(通称”あずさ色”)が運転を開始し、以後、この色に統一が進められ、また、この塗装変更に伴い特急シンボルマークが取り外されていきました。
その後も中央本線の代表として活躍していきますが、2001(平成13)年に後継車両のE257系が登場。
これに伴い、何故か国鉄色への塗装変更が進められた上で、翌年7月改正で、「あずさ」より一足先に「かいじ」から撤退。その後は長らく臨時列車としての運転もなく、唯一の例外としては、台風によって車両運用に混乱が生じた1回程度。しかし、2006(平成18)年に臨時列車としてついに正式に登場し、かいじ180号新宿行きとして運転されて以降、ようやく多客期にはしばしば183系・189系による運転が設定されています。
(上写真:中央本線 八王子駅/撮影:裏辺金好)
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