田本駅(JR東海)
  J.R. Tamoto Station
▼メモ
 三信鉄道によって開業し、1943(昭和18)年に国有化され飯田線の一部になる。開業当初は駅近くに集落があったのだが、ダムの建設に伴いその集落は水没し、駅だけが孤立してしまったという経緯を持つ。

 駅は単式ホームの無人駅だが、驚くべきはその地形である。駅の両端はトンネルに挟まれ、ホームの裏はコンクリートで固められた土砂崩れ止めの絶壁、線路の向こう側は天竜川へと続く断崖と、とても厳しい立地にある駅である。駅の豊橋方に出口があり、そこからは細いけもの道が続く。

 当然ながら自動車やバイクは通行できない。途中でふた手に分かれており、左へ行くと15分間山を登りつづけると田本集落へ、右へ行くと下り坂を下った先にある吊り橋を渡ると川田集落へたどりつく。

 このように、厳しい立地と非常に悪いアクセスなどから、近年では秘境駅として注目されている。

 (写真&本文:ロクマルサン)
▼開業年月日
1935(昭和10)年11月15日

▼所在地
長野県下伊那郡泰阜村

▼駅構造
地上駅

▼主な利用可能路線

飯田線


▼駅とその周辺の様子

ホームは必要最低限の幅しかない。



待合室内にはローカル線ではおなじみの駅ノート、文庫本がある。


ホーム裏の崖はコンクリートで固められているが、一箇所だけ裸の岩が突き出ている。


駅の出口。トンネルの上をまたいでいく。

トンネルの上から駅を見る。
ここから見るといかにギリギリな場所に鉄道を通したかがよくわかる。先人たちの鉄道にかける思いには脱帽である。



出口から続く駅前通り。ここから二手に分かれる。