渋谷駅ハチ公口に、東急旧5000系を設置

 10月末に渋谷区が、東急で活躍した旧5000系のトップナンバーのデハ5001を渋谷駅ハチ公口にモニュメントとして設置しました。その模様を11月18日に撮影しましたので、ここに紹介します。多くのファンが心配していたとおり、早速破壊活動を行ってくれたバカがいるようで、レプリカですけど前面行先表示板が破損していました。どうやら、前日の夜にやられたようですね。
 さて、このデハ5001は1954年に登場し、1993年に廃車となってから東急車輛が保管し、往時の姿に復元したもの。そこまでしておきながら、一般公開はまったく行わないまま歳月が流れたわけですが、突如として車体を18mから11mに縮小し、足回りを取っ払って渋谷区に寄贈したようです。どうやら、渋谷区が民間交番などに使う予定で、シンボルとして選んだそうですが、計画は上手くいかず、今のところ活用策は宙ぶらりん状態。
 車両の保存には余り熱心でない東急(東急車輛)からデハ5001が救われたと見るべきか、よりにもよって渋谷駅前という危険な場所で最悪の形で保存されたと見るべきかは難しいところですが、多くの人の注目を集めていることは間違いないようで、工場の奥にしまわれているよりはいいのかもしれません。しかし、車体を切断することは・・・ブツブツ。実物を使う必要はない気もするんだけど。まあ、東武がデラックスロマンスカーを切断して保存している例もありますし、名鉄にいたっては車両を保存しませんから・・・。ネット上で騒然となっているほど、私は問題じゃないとは思いますけどね。
(写真&解説:裏辺金好)



最初は民間の警備会社の人がいたようですが、老人の働き場所の提供を考えたのか、年配の方が車両の見回りを行っています。それにしても、本来は「櫻木町」であるはずなのに・・・。

運転台も見ることが可能。

車内には上写真の大正末期の渋谷駅の姿などが展示。若い女性も、「昔はこうだったんだ」と興味深そうに見ていました。

ちなみに、玉川線関連の写真が多く、肝心のデハ5001と東横線の写真がありません。お陰で、デハ5001を玉川線の車両と勘違いする人もいるとかいないとか。

車内の様子。休憩所としても活用できそうです。クーラーも設置済。

気になる車体背面は、上手く処理されています。ここまで手の込んだことをするなら、もっと広い場所で、のびのび18mのままで保存してくれても・・・・。

賛否両論ありますが、こうやって簡単に昔の車両が見られること自体は悪くないと私は思います。ただ、破壊された後のアフターケアなどはきちんとして欲しいですね。

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