A trip of Japan No.12 JR Senseki Line |
○JR仙石線の概要 |
1.仙石線の歴史 |
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ちなみに国鉄は、首都圏と大阪圏以外は、中距離・長距離輸送と位置づけており、駅の距離は長く、列車本数は少ない。その代わり、私鉄に都市圏輸送を任せると相場が決まっていました。これは実は約20年前まではごく当たり前のこと。元私鉄の国鉄線でも、しっかりとその考えが適用されます。
しかし、仙石線は、規格が同じだったこともあり、中古ではありますが、戦後すぐに首都圏より通勤電車を持ってきました。さらに前述のように駅間距離が短くて便利で、さらに観光名所の松島もあったことから、国鉄時代から東北地方唯一の通勤路線として発展したのです。何と仙石線の仙台付近では、昭和20年当時から1時間に2〜3本が運転されていたとか。
そうは言っても、やはり中古電車の使い捨て場所のような感じだったのですが、昭和54年より、首都圏の京浜東北線や、関西の東海道線と同じ、103系という電車が運転を始めると、いよいよ首都圏並みの通勤通学輸送になりました。
1990年代より前の東北本線は、客車によるガタゴトと鈍行だったにも関わらず、仙石線のみ首都圏とあまり変わらない電車による通勤・通学輸送が行われていましたのは特筆に値します。
現在の車両は、山手線で活躍していた205系が改造されて4両編成で運行されています(左写真上2つ 松島海岸駅にて)。中には、石ノ森章太郎の絵が描かれたマンガッタンライナーというヴァージョンもあります(土・日・祝日1往復運転)。2004年1月現在、1世前の主力103系(左写真3枚目 JRになって塗装変更 写真はあおば通駅にて 04年1月3日撮影)はもうあと少しだけしか残っていません。
2.仙石線の旅 |
それからほんの400mほどで、東北最大のターミナルである仙台駅。仙石線のみ地下駅となっています。以前の仙石線用の仙台駅は新幹線口の東側にあり遠く、しかも、非常に老朽化著しい施設で、非常に不便でした。地下化で移転され、ようやく仙台駅と直結。・・でも、まだ多少遠い。東京駅の京葉線ほどではありませんが。
ちなみに、ここが面白いと言いますか。
石巻方面から仙台に来る列車は、あおば通からまた仙台に折り返していきます。ですから、仙台駅で乗り換えるお客の中には、石巻方面へ向かうにもかかわらず、一度、あおば通行きに乗って、そこで座ってまた目的地へ向かう人も多々見受けられます。
ここから陸前原ノ町までが地下区間。この区間は、いずれも踏切が渋滞を引き起こしていたところ。また、いかにも地方私鉄といった感じの路線でした(家のすぐ横を走り、駅は対向式ホームが二本並ぶだけという)が、すっかり整理されることになりました。昔の雰囲気が失われてしまった気がしますが。まあ、仕方がないでしょうか。
列車はこの後地上に出て、苦竹(にがたけ)へ。その次には、04年春に新駅が誕生します。
そして、電車の車庫がある福田町駅を経て、多賀城へ。多賀城市は、奈良時代・平安時代に朝廷の東北平定拠点が置かれた多賀城があります。ただし、史跡に行かれるなら昨年開業したJR東北本線の国府多賀城駅から徒歩10分ほどになっています。なお、東北本線の方は、のんびりした光景ですが、仙石線の方は完全なベッドタウン。
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次に列車は塩竃市内へ。今度は地上から高架路線に入り、西塩釜、本塩釜、東塩釜と市内各地に停車していきます。この東塩釜を終点にする列車は多く、ここから先は30分おきぐらいの運転となり、通勤・通学路線もだいたいこの辺までです。また、線路もそれまで複線だったものが単線に。
そのため、ちょいと不便にはなりますが、ここから先は海外線に沿っていき、青空と海が広がります。そして、松島にかけての景色は絶景。仙石線に乗るだけでも十分堪能が出来ます。また、隣にはJR東北本線が見えたり見えなくなったり・・。実は、意外に近くを走っているんです。
松島海岸駅(左写真1枚目)は、松島への最寄り駅。駅を出て左手に歩いてゆくと、五大堂、瑞巌寺といった松島と合わせておきたいの歴史的建造物が。また、おみやげ屋街もこちらにあります。松島湾遊覧船乗り場もあります。松島については、前回を参照してください。そして、列車は引き続き松島を横に見ながら進み、次第に今度は田園地帯に。
矢本からは石巻市の都市圏。陸前赤井は、もう完全に石巻市街に入ります。そうして石巻に到着。昔は、私鉄時代からの名残で、JR石巻線の石巻駅と、別々の駅が並立していたのですが、1992年に仙石線が石巻線の駅に乗り入れる形で統合され利便性が向上しています。
仙石線は首都圏・関西圏と同じ通勤電車が走り、仙台周辺の通勤輸送をこなす一方で、松島への観光輸送、その他地域でローカル輸送を行うという特異な路線です。当然、景色も都市に住宅に海岸に田園にと、何でこざれの素敵な路線です。ぜひ、乗ってみて下さい。