愛国駅から幸福駅へ〜北海道帯広市〜
1987(昭和62)年に路線ごと廃止となったものの、現在も多くの観光客が訪れる、旧国鉄広尾線の愛国駅と、そこから2駅先の幸福駅。「愛の国から幸福へ」のキャッチフレーズで有名になった縁起の良い駅名で、1973(昭和48)年、NHKの紀行番組『新日本紀行』で『幸福への旅 〜帯広〜』として紹介されて知名度が急上昇し、愛国駅とセットで「愛国から幸福」と切符が爆発的に売れるようになりました。
・・・もっとも、現実に訪れる人は車やバスを使うことも多かったようで、広尾線の経営は悪化の一途をたどり、前述の通り1987年に同線は廃止になりました。現在、愛国駅は交通記念館として、蒸気機関車9600形(19671号)を保存。
一方、幸福駅は木造の駅舎が当時のまま保存され、現在は「鉄道公園」として、同線でも使われたキハ22形ディーゼルカーを2両保存し、現在でも縁起の良いスポットとして多くの観光客が訪れています。なお、2013(平成25)年には老朽化に伴い、外壁の半分を流用した上で元の姿のまま建て替えが行われています。
(解説&撮影:裏辺金好 ※特記を除く)
○地図
〇風景
幸福駅
小さな木造駅舎ながらも、多くの人でにぎわう幸福駅。色々なものが貼られまくっていますが、これも昔からの光景。写真は解体復元前の2012年撮影。
キハ22 238
幸福駅には、まるで現役さながらに、キハ22 221と、キハ22 238の2両のディーゼルカー(気動車)が静態保存。2007(平成19)年のGW前に、「帯広塗装協同組合」がボランティアで、10年ぶりとなる再塗装を実施。美しさを取り戻しています。(※2007年 デューク所員撮影)
キハ22 221
もう1両のキハ22形。
キハ22 221(車内※撮影:裏辺金好)
幸福駅の風景
ディーゼルカーのほか、除雪モーターカーも保存されている。(※撮影:裏辺金好)
愛国駅
国鉄末期に建てかえられた愛国駅は、幸福駅とはまた違った雰囲気。
蒸気機関車9600形
愛国駅ではSL19671号が保存、こちらも美しい状態を保っているのが嬉しい限り。
愛国駅前