浜寺公園駅&諏訪ノ森駅〜大阪府堺市西区〜


 大阪府内にある駅舎の中でも、屈指の美しさを誇る浜寺公園駅(※上写真)。
 1907(明治40)年に辰野片岡事務所、すなわち東京駅や日本銀行などを設計した辰野金吾らが設計したもので、辰野金吾といえば赤レンガ、という雰囲気を見事にいい意味で裏切ってくれる名建築です。1998(平成10)年に国の登録有形文化財に指定されました。
 一方、隣駅である諏訪ノ森駅の西駅舎は、1919(大正8)年に建設されたもので、駅舎入口上方の明かり取りに、窓浜寺から淡路島にむかっての海岸の様子が描かれたステンドグラスが5枚はめ込まれています。こちらも、国の登録有形文化財に指定されています。
 なお、両駅共に2028年の完成を目指して高架化工事が進行中。今後は浜寺公園駅は新駅舎への入口として、諏訪ノ森駅は新駅舎の入口付近で保存される見通しです。写真はいずれも高架化工事が本格化する前の姿(2014年6月撮影)で、現在とは大きく異なっています。
(撮影・解説:裏辺金好)

○地図



○浜寺公園駅


駅舎正面
正面の玄関部分を彩る柱などが非常に美しい景観を形成しています。 浜寺公園駅はハーフティンバー様式、すなわち柱・梁・斜材をそのまま外部に現し、その間の壁体を石材・土壁あるいはレンガで充填するという建築技法が用いられています。


改札口


改札口


駅舎背面




○諏訪ノ森駅


駅舎正面

ステンドグラス



諏訪ノ森駅は方面別の駅舎で、国登録有形文化財になっているのは西駅舎。

〇浜寺公園交通遊園の保存車両など

 オマケとして、駅名の由来となった浜寺公園内の交通遊園(高石市)で保存されている阪堺電軌モ121形の130号と、蒸気機関車D51 469号機、そして浜寺公園内で交通遊園に向けて運転されている子供汽車「浪速号」を御紹介します。
モ121形は、大阪市交通局(大阪市電)1601形として1929(昭和4)年に製造されたもので、大阪市電全廃に先立ち、1967(昭和42)年に阪堺電気軌道に移籍しました。 展示されている130号は、最後まで阪堺電気軌道で活躍したもので、2000(平成12)年に廃車になり、翌年3月からここで公開されています。

D51 498号機は1940(昭和15)年に大宮工場(現、JR東日本大宮総合車両センター)で製造されたもので、最後は和歌山県の紀伊田辺機関区に配属されて1971(昭和46)年8月に引退しました。ちなみに、写真は状態が悪い頃に撮影したものですが、現在は塗りなおされて綺麗なようです。

園内で運転されている子供汽車「浪速号」。浜寺公園は堺市と高石市にまたがる広大な公園で、交通遊園に行くまでが一苦労。こうした乗り物を利用することが出来ます。

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