天橋立&文殊堂〜京都府宮津市〜


 日本三景の1つ、天橋立。若狭湾の西端である宮津湾に弓なりにのびる砂嘴(さし)で、全長3.6Km(距離については色々な記述がありますが・・・)。そこに約7000本の松林が立ち並んでおり、この風景は奈良、平安の頃より絶景として親しまれてきましたが、1643(寛永20)年、林春斎という学者が「日本国事跡考」に「丹後の天橋立、陸奥の松島、安芸の宮島を日本三景」と書いたことが、日本三景の1つと称されるようになった始まりと言われています。現在、この天橋立は歩くことが出来ますし、上写真のように天橋立ビューランドからは、上から見た絶景が堪能できます。
 一方、この天橋立の直ぐ近くにある智恩寺(文殊堂)は、日本三文殊の1つ。智恵を授かる文殊さんとして、多くの観光客が訪れます。境内には1767年に建てられた山門や、室町時代に建てられた多宝堂などがあり、貴重な古建築を見ることが出来ます。
(撮影:裏辺金好)

〇地図



○風景


天橋立への入り口の廻旋橋。1923(大正12)年に造られたもので、船が通るときに橋が回転します。昔は人力で回転させましたが、1960(昭和35)年に電動化されました。




日本の名松百選にも選ばれている天橋立の松並木。



海軍思想普及のため、大正12年に海軍大臣から下付された大砲。明治35年にイギリスのアームストロング社で製造された40口径安式15センチ砲身です。

天橋立神社

〇天橋立ビューランドからの風景


天橋立ビューランドから見た天橋立と、諸所の位置関係。

こちらのケーブルカーまたはリフトで登ります。

 この光景は、名勝「飛龍観」と呼ばれるもの。その昔は陸沿いのルートが整備されていなかったため、京都方面から天橋立へ行く場合は、この山を越える必要がありました。そうすると、必然的にこの風景を見ることになるわけですが、辛い山越えの後、見事!と手を叩いたことでしょう。


天橋立で行う「股のぞき」。股から頭を出して天橋立を見ると、松並木が空中に浮かんだような錯覚になり、これが天に架かる橋に見えます。これが、天橋立の名前の由来になったとか。

〇智恩寺(文殊堂)


山門 【宮津市指定文化財】
 1767(明和4)年築。三間三戸の二重門で、丹後地方最大の唐様(禅宗様)の山門です。


多宝塔 【国重要文化財】
1501(明応10)年築。丹後地方唯一の室町時代の遺構です。


文殊堂
何度かの修理を経て、現在の文殊堂は1655(明暦元)年に開始された、宮津藩主京極高国による修理後の姿です。

鐘楼門&庫裏
鐘楼門は1722(享保7)年築。下層の両側に亀腹が付いた竜宮門形式で、宮津の商家木村正英が二人の子女を亡くしたことをきっかけに建立しました。後方の庫裏は1799(寛政11)年に建立されたもので、禅宗様の建築です。

鐘楼
1891(明治14)年築。東西、南北ともに大きさ3m60cmなのが特徴です。

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