府中郷土の森博物館〜東京都府中市〜
  Fuchu Kyodo-no-mori Open Air Architectural Museum in Fuchu City , Tokyo Metropolis

 府中市郷土の森博物館は、財団法人府中文化振興財団が運営する博物館。1982(昭和57)年、市制25周年記念施設として府中市がオープンしたもので、多摩川河川敷を含めて13万kuの敷地を持ちます(このタイプの博物館としては、国内最大規模)。館内はプラネタリウムを併設した地学・考古学系の屋内博物館と、消え行く府中市の古建築の中から選別された移築建築群、武蔵野の雑木林など自然風景の展示などから成っており、非常に魅力的な構成となっています。

(解説&撮影:裏辺金好)

○場所

○風景



旧府中町役場庁舎 [東京都指定有形文化財]
 1921(大正10)年築。府中市の前身である府中町が建築させたもので、裏側に和風建築が連続するのが特徴。その後、市立図書館、教育研究所等に利用され、1984(昭和59)年に解体。ほどなく、この地に移築復元されました。



旧島田家住宅
  1889(明治21)年築。旧甲州街道・府中新宿の商家である島田家の店蔵(みせぐら)部分を移築復元したもの。





旧田中家住宅(府中宿の大店)
 府中宿を代表する商家、田中家。明治天皇が休憩、宿泊もしたことがある奥座敷部分(一番最後の写真)が現存していましたが、これの移築復元にあわせて、残存していた図面を元に商家全体を復元したものです。



旧府中郵便取扱所(旧矢島家住宅)
 江戸時代末築。郵便制度のスタートに伴い、府中番場宿の名主兼問屋の矢島九兵衛が郵便取扱役に任命されたことから、その居宅が郵便取扱所となりました。1985(昭和60)年ごろまで使用されています。



旧府中町立府中尋常高等小学校校舎
 1935(昭和10)年築。現在の府中市立第一小学校の位置に建てられたもので、1979(昭和54)まで使用。移築復元されたのは中心部分のみで、往時は左右に非常に大きく広がった建物でした。


まいまい井戸
 地面を大きくすり鉢状に掘りくぼめ、その底面から掘り抜いた井戸。「まいまい」とはカタツムリの別称で、その名があらわすとおり、らせん状の道路を下っていくと井戸にたどり着きます、この井戸、どうやら平安時代に起源があるようです。なお、このままの形で平安時代からあったかどうかは不明。


旧三岡家長屋門 [東京都指定有形文化財]
是政村(現・府中市)の村役人を務めた三岡家の分家に建てられていた門。



旧越智家住宅
 江戸時代後期築。1899(明治22)年に坂浜村(現・稲城市)より府中市郷土の森近くに移築されて使用されていました。




旧河内家住宅
 江戸時代中期築。1844(天宝5)年に、大沢村(現・三鷹市)から人見村(現・府中市)に移築されたことが解体調査から明らかになっています。建築時から何度も改造されていますが、復元に当たっては明治後期のころの姿を再現しています。




本館
 府中市ゆかりの郷土の品々を展示しており、構成としては典型的な郷土博物館ですが、展示構成や解説が日本史を勉強する上で非常に充実しています。また、府中宿とその周辺を復元した模型は当時の街道沿いの風景を一望できるもので、江戸時代の風景が広範囲に堪能できます。




交通遊園
 隣接する交通遊園では、上から順番にD51 296、国鉄EB10形電気機関車(EB101号)、都電6000形(6191号)が保存されています。都電6000形は2006年、2013年の2回にわたり再塗装が行われており、非常に美しい姿を保っています。



交通遊園
 このほか、府中市消防団の消防車と京王バス中央の車両も展示されており、子供たちの格好の遊び場になっています。ちなみに展示されているバス車両は、写真3枚目(2007年10月撮影)から写真2枚目(2014年3月撮影)に交代しています。