山口県防府市は現在の地名が示すとおり、周防国の国府が置かれ場所。そのため、奈良時代の741(天平13)年に聖武天皇の勅願により、国ごとに建てられた官寺である国分寺が、今の防府市に設置されますが、なんと周防国分寺は現在の同じ場所で、しかも創建当時の寺域をほぼ保っているという、大変貴重な例です。
上写真の楼門は、山口県指定有形文化財。棟高は約12mという大きな重層入母屋造の門で、1596(文禄5)年に毛利輝元が再建。1767(明和4)年に長州藩第8代藩主の毛利重就(しげたか)によって大改修が行われました。門の左右には室町時代の制作といわれる1対の金剛力士像(仁王像)が安置されています。
(撮影・解説:裏辺金好)