旧石巻ハリストス正教会教会堂〜宮城県石巻市〜
旧石巻ハリストス正教会教会堂は、1880(明治13)年、石巻市千石町に建設されたもので、現存する日本最古の木造教会建築。また「ハリストス」とは、ロシア語で「キリスト」のことです。内部は無料で一般に公開されており、非常に小さな建物ながら、明治の時代が始まるや、突如として石巻に現れた、このような内装の建物に、当時の人たちは何を感じたのだろうと思わずにはいられません。
2011(平成23)年3月11日の東日本大震災では、津波によって被災して損壊。石巻市では一旦解体の上、2018(平成30)年度に復元すべく工事中です。
また、このページでは向かい側に建つ石ノ森萬画館の建物とマンガロードのオブジェ、近代建築2種をご紹介します。
(撮影&解説:裏辺金好)
○地図
○旧石巻ハリストス正教会教会堂
意外と横に長い側面。
1階部分は、なんと畳敷き。
こちらはいかにもといった感じの2階。
反対方向から眺めます。
○石ノ森萬画館とマンガロード
石ノ森萬画館
1998(平成10)年に亡くなった漫画家、石ノ森章太郎の作品をテーマにした博物館。
マンガロードにて
商店街に置いてあったサイボーグ009・島村ジョーの像。町全体が、漫画作品の博物館と共に商店街振興を図る例としては、「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる作品を前面に押し出す、鳥取県境港市の例がありますが、境港市は、駅から水木しげる記念館へ続く道を「水木しげるロード」と銘打って、半ばやり過ぎとさえ感じるほど、商店街のあちこちに妖怪のオブジェに、鬼太郎グッズ店があったりと、大変にぎやか。
それに反して、石巻市も萬画館への道を「マンガロード」として、同様の路線で行きたい雰囲気は出していますが、微妙な盛り上がり・・・。
マンガロードにて
あとは仮面ライダーが飾っていましたが、まあ・・・その程度でした。
現段階では、かなり迫力に欠けるマンガロード。恥ずかしがらずに(?)是非頑張ってほしいものです。
○付近の近代建築2種
旧観慶丸商店 【石巻市有形文化財】
1930(昭和5)年築。観慶丸は江戸時代から続く陶器の店で、この建物は石巻初の百貨店として建築されました。3階建ての総タイル貼りの建築で、誕生時は多くの人が驚いたことでしょう。2013(平成25)年に石巻市へ寄贈され、文化交流スペースや旧観慶丸商店コーナーなどを備えた文化交流拠点として活用されています。
なお、付近では移転新築された観慶丸本店が陶器のお店として現在も営業しています。
旧東北実業銀行石巻支店(現・第2SSビル)
その向かい側に建つ近代建築で、1925(大正14)年築。こういう何気ない昔の建物って文化財指定されにくいですが、両方とも整備した上で、是非活用して欲しいもの。