油山寺〜静岡県袋井市〜
  Yusan Ji (Buddhist temple) in Fukuroi City , Shizuoka Prefecture

▼MAP

▼アクセス
JR東海道本線袋井駅よりバス

▼関連サイト
油山寺公式ホームページ
 油山寺、正式には医王山薬王院油山寺(いおうざんやくおういんゆさんじ)は、行基が開いたとも伝わり、 真言宗智山派の寺院。749(天平勝宝元)年、孝謙天皇が眼病平癒を祈願して、この寺にある「るりの滝」で洗顔したところ全快し、勅願寺に指定。このため、眼病平癒のお寺として名高い寺院です。ちなみに、油山とは油が湧出したことに由来するそうです。
 国の重要文化財、静岡県の有形文化財に指定された古建築が非常に多く、江戸時代にタイムスリップしたかのよう。そして非常に落ち着いた自然空間との調和は絶景で、是非一度は訪れたい寺院です。ちなみに、遠州三山(えんしゅうさんざん)の1つと称されます。*遠州三山とは、法多山尊永寺 (真言宗)、萬松山可睡斎 (曹洞宗)、医王山油山寺 (真言宗)の3つ。

(撮影&解説:裏辺金好)

○油山寺の風景


油山寺全景


山門 【国指定重要文化財】
 掛川城の大手二之門を移築したもので、1659(万治2)年、掛川藩主の井伊直好が創建したもの。1873(明治6)年に、かつての掛川藩主の太田備中守が眼病全快のお礼として寄進し、移築されました。掛川城の遺構として、大変重要なものです。


宝生殿・静山閣周辺
山門をくぐって真っ直ぐ行くと現れる風景。

方丈 【静岡県指定有形文化財】
1764(宝暦14)年、遠州浅羽代官所より代官の仁科宇兵衛によって移築されたもの。


松泉閣

書院 【静岡県指定有形文化財】
 1699(元禄12)年、遠州横須賀城に建築されたもの。1859(安政6)年、藩主西尾隠岐守(西尾忠受か?)が寄進したもので、貴重な横須賀城の遺構であり、現存する御殿建築としても重要。


るりの滝
山門から左へ曲がり、少し上に行くと滝が。この滝の水は眼病に効くといわれ、参拝する人が後を立ちません。


三重塔 【国指定重要文化財】
 1611(慶長16)年築。元をたどれば源頼朝が1190(建久元)年に眼病全快のお礼に建立したものを、江戸時代初期に改築したもの。高さは約3mで、内陣には、弘法大師作と伝えられる大日如来を安置しています。


鐘楼堂

薬師本堂 【静岡県指定有形文化財】
 1738(元文3)年、徳川吉宗の寄進により再建。その前の建物は、やはり源頼朝が寄進しています。 なお、本堂の中にある厨子は戦国大名、今川義元の寄進であるといわれ国の重要文化財に指定。菊の御紋がはいり金色に輝いています。