岡寺〜奈良県明日香村〜
  Oka Dera Temple in Asuka Village , Nara Prefecture

 岡寺は、663(天智天皇2)年に草壁皇子が居住していた岡の宮を、仏教道場として義淵僧正(?〜728年)に下賜されたのが始まり。現在は真言宗豊山派の寺院で、西国三十三ヶ所観音霊場の第七番札所です。

 また、義淵僧正が優れた法力の持ち主で、近くの農地を荒らす悪龍を法力によって小池に封じ込め、大石で蓋をしたという伝説があります。これが「災いを取り除く」として、少なくとも鎌倉時代には岡寺と言えば厄除けの寺として高名で、日本最古のやくよけ寺として知られています。また、この伝説より岡寺の正式名称は龍蓋寺(りゅうがいじ)と言います。

 本尊は国の重要文化財に指定されている如意輪観音像。日本最大、最古の塑像観音として非常に貴重なものです。また、壮大な規模の古建築である本堂や仁王門(上写真=1612(慶長17)年の建立で、国の重要文化財)は必見です。

(撮影&解説:裏辺金好)
 ▼MAP

 ▼アクセス
 近鉄吉野線飛鳥駅からレンタサイクルかバス

 ▼関連ウェブサイト
 岡寺公式サイト


○風景




三重塔
1986(昭和61)年に、実に514年ぶりに再建されたもの。


 開山堂(左)と本堂(右)。両方とも江戸時代の建築で、特に本堂は1805(文化2)年の上棟ながらも、全て完成するには30年もかかったという大きな木造建築。奈良県指定文化財に指定されています。いや・・・本当にいい建築を見ました。


開山堂
1797(寛政9)年の建築で、1871(明治4)年に岡寺へ移築。どうやら廃仏毀釈の影響で岡寺にやってきたようです。

鐘楼堂
正確な建築年代は不明ですが、梵鐘には1808(文化5)年と刻まれ、さらに建築様式から本堂と同じ頃と推定。

本堂 【奈良県指定文化財】

本堂


如意輪観音像 【国重要文化財】
奈良時代末の制作で、高さは約4.85m! 塑像(土でできた仏像)としては日本最大です。


旧寺域
創建時は仁王門の西方、現在の治田神社境内にあったと考えられています。