耕三寺は瀬戸内海の島の1つである生口島(いくちじま)にある浄土真宗本願寺派の寺院で、大阪で大口径特殊鋼管の製造会社を営んでいた技術者&実業家の、金本福松(1891〜1970年)が、故郷の瀬戸田に亡き母の供養のために、その死後翌年である1935(昭和10)年に建立した寺院です。なお、金本自身がこの寺の住職となり、金本耕三(通称として耕三寺耕三)と改名しました。
戦後になっても工事が続けられ、京都・奈良などの寺院の有名な建築を各種組み合わせ、耕三寺独自の鮮やかな色に塗った壮大な伽藍が完成しました。まさに寺院建築の見本市状態で、15棟が国の登録有形文化財に指定されています。
ちなみに公式ホームページいわく、
「寺をほめて下さるのも悪い気持ちはしないが、お母さんを仏様のようにほめ讃えてもらいたいのが、拝観者に対する、永い年月における私の念願である。」(耕三寺耕三)
う〜む、素晴らしい供養の念だと言うべきなのか否か。ともあれ、非常に豪華な建築群であることは間違いなく、今や瀬戸内海の島の中でも、有数の観光名所となっています。
(撮影:リン/解説:裏辺金好)