三仏寺〜鳥取県東伯郡三朝町〜
  Sanbutsu Ji in Misasa Town , Tottori Prefecture

 三仏寺は鳥取県東伯郡三朝町にある天台宗の寺院で、山号は三徳山。706(慶雲3)年)に役行者が修験道の行場として開いたとされ、849(嘉祥2)年に慈覚大師円仁が本尊釈迦如来・阿弥陀如来・大日如来の三仏が安置されたと言われています。

 さて、修験道の行場として開いたとあって、この寺院の最大の見所である投入堂(なげいれどう=上写真/三佛寺奥の院)へは険しい崖のような場所を登り、人一人がやっと渡れるような通路を行く必要があります。二人一組で参拝する必要があったり、服装も本格的な登山の格好をする必要があったり、雨の日は入山が禁じられるなど制約が多く、また実際に危険も伴いますが、平安時代後期に建てられた国宝を前にする達成感は何物にも変えがたいものです。

 投入堂のほか、本堂や投入堂までの途中の建物の全てが江戸時代以前の建築。ゆっくり建築を眺める余裕は失いがちになりますが、歴史の息吹が感じられる見事な寺院です。
 (撮影&解説:裏辺金好)
 ▼MAP
▼アクセス
 JR倉吉駅からバス

▼関連サイト
 三仏寺公式サイト

○風景


鳥居
神仏習合の名残か、寺院ですが鳥居がまずはお出迎え。



本堂 【鳥取県指定保護文化財】
江戸時代後期の建築で、投入堂に行かない方はここが終点。行く方はここの奥で受付をします。


草履
履いてきた靴にNGが出た場合は、500円で草履を購入することになります。
流石は先人の知恵、これが意外と実用的で、悪路でも滑ることなく進むことが出来ます。ちなみに持ち帰り可。

地図
地図を見る限りは一般的なハイキングコースに見えますが・・・。

出発!
まずは余裕な感じですが・・・。


いきなり両手両足を使って登る羽目になります。


十一面観音堂 【鳥取県指定保護文化財】
江戸時代中期の建築。そして、写真右手を登っていきます。このあたり、カズラ坂と呼ばれるエリアだそうです。


これもどこを登れば良いのか。写真だとあまり急角度には感じませんが、現地で見上げると声を失います。


文殊堂 【国指定重要文化財】
1580(天正8)年の建築で、清水寺にも似た雰囲気。これを見るだけでもかなりの迫力。


クサリ坂
そして文殊堂の脇、ほぼ垂直の崖をクサリをつかみながら登っていきます。クサリ坂と呼ばれる難所の1つです。
まあ、持つところがきちんとあるだけ、先ほどまでのカズラ坂より幾分マシです。
(上写真はリン所員撮影)


地蔵堂 【国指定重要文化財】
室町時代後期の建築。

ここを歩いていきます。幸いにも、落ちても少し下に脇道はあります。

反対方向を振り返り・・・。

鐘楼堂

鐘楼堂の脇は、この巨石を乗り越えていきますが、もはや大したレベルではありません。

馬の背・牛の背
リン所員の後姿と比較していただけると解りやすいですが、まるで平均台を進むような感じ。
左右は崖になっておりますので、バランスを崩すとさようならです。


納経堂 【国指定重要文化財】
鎌倉時代後期の建築(さりげなく凄い文化財!)。これが見えてきたら、あと一息。



観音堂 【鳥取県指定保護文化財】
1648(正保5)年に鳥取藩主池田光仲によって再建されたもの。

元結掛堂 【鳥取県指定保護文化財】
観音堂と同じ頃に造られたもの。

投入堂 【国宝】
ついにラスト、投入堂へ到着。平安時代から建つという、歴史ある建物と対面です。

投入堂 【国宝】
ちなみに、こんな状態で支えています。よく崩れないものです・・・。

帰路
どこを登ってきたのか不明になりつつ、こんな状態で降りていきます。

投入堂遠景
ちなみに投入堂は麓から見上げるとこんな位置にあるのでした。