龍口寺〜神奈川県藤沢市〜
龍口寺(りゅうこうじ)は日蓮宗の本山(霊蹟寺院)。
1337(延元2)年に建立されたお寺で、開祖の日蓮が「立正安国論」を著し、鎌倉幕府を非難したとして処刑されそうになった龍口刑場の跡地に、日蓮の弟子である日法上人が「龍ノ口法難の霊跡」として、一堂を建立し、自作の日蓮聖人像と、首の座の敷皮石を安置したのが始まりです。
寺としての格式を整えたのは江戸時代のことで、1601(慶弔6)年に篤信者であった島村采女が土地を寄進し、諸堂・境内地が整備されました。
現在も江戸時代に建立された本堂や、明治時代の五重塔が残るなど、非常に見ごたえがあります。江ノ島の観光や、鎌倉の寺院ばかりが注目されがちですが、この龍口寺も是非見ておきたい場所です。
(撮影・解説:裏辺金好)
○風景
仁王門
1974(昭和48)年築で、鉄筋コンクリート造り瓦葺。仁王尊像は彫刻家村岡久作氏の作。
仁王門
万寿寺にあったものを移築したもので、1597(慶長2)年築。
大本堂
1832(天保3)年築。
御宮殿内に中老僧日法聖人作の日蓮聖人の木像を、脇陣には六老僧の木像などを安置しています。
五重塔
1910(明治43)年築。欅造り銅版葺。神奈川県唯一の本式木造五重塔です。
大書院
明治元年、松代(現・長野市松代)で蚕糸業で財をなした窪田家が造った蚕糸御殿。
1935(昭和10)年に当地に移築されました。
おまけ:江ノ島電鉄
龍口寺の前面道路は、江ノ島電鉄の車両が道路上を走る軌道区間です。
路面電車よりも大型で、4両編成の車両が狭い路地を行く姿は名物です。