ファーム富田〜北海道空知郡中富良野〜


 今や北海道を代表する観光名所と言っても過言ではない、ラベンダー畑で有名な「ファーム富田」。1897(明治30)年に北海道国有未開地処分法が制定され、北海道への移住者が急増する中、1903(明治36)年、富田徳馬が中富良野町で開墾の鍬を下ろしたのを発祥とします。

 1958(昭和33)年、孫の富田忠雄が香料用としてのラベンダーの栽培を開始し、また近隣でもラベンダーの栽培が普及したことで、富良野地方全体でラベンダーの栽培地域が230ヘクタール以上に拡大。ところが、1972(昭和47)年の貿易自由化によって価格の低い輸入香料が登場したことや、合成香料の技術の普及によってラベンダーオイルの価格が急落し、翌年にラベンダーはファーム富田のみの栽培となります。

 苦境の中でも富田忠雄はラベンダーの栽培を続ける中、1976(昭和51)年5月の日本国有鉄道のカレンダーにファーム富田のラベンダー写真が登場すると、観光客やカメラマンが訪れるようになり、その中で観光客から匂い袋などの作り方が教えられ、販売を開始します。

 さらに、ドラマ「北の国から」に登場したことによって知名度が一躍広まり、さらに1984(昭和59)年にはオリジナル香水「フラノ」の開発に成功し、1987(昭和62)年には石鹸の製造業免許を取得し、「ソープラベンダー」を販売。そして1990(平成2)年にはフランスで開催された「ラベンダー芳香フェア」で、オリジナルエッセンシャルオイル、「おかむらさき」が第1位を獲得すると共に、「オートプロヴァンス・ラベンダー修道騎士」の称号を授与。

 その後もラベンダーを中心とした事業の拡大を続け、そしてファーム富田は7〜8月のラベンダーを中心に、春から秋にかけて美しい草花が楽しめる場所として、大きな人気を集めています。
(撮影&解説:裏辺金好)

○風景


ファーム富田の園内マップ。ラベンダー以外にも様々な草花が咲き乱れる。




















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