名寄市北国博物館SL「キマロキ」〜北海道名寄市〜
北国の自然と文化に親しむ体験学習をテーマにした名寄市北国博物館に保存されている、この車両たち。
線路の除雪作業はラッセル車を用いて線路上の雪を両脇ないし左側に寄せていくのが普通ですが、北陸や北海道などの豪雪地帯では寄せた雪が壁となり、ラッセル車では除雪しきれない事態がしばしば起こりました。その際に活躍したのがこの編成で、線路脇にできた雪の壁を削り取り、さらにその雪を遠くに飛ばすのが役目でした。
その編成を丸ごと保存している唯一の場所がこの名寄市北国博物館で、かつての名寄本線があった場所に保存されています。開館時間中にはヘッドライトなどが点灯するようになっており、必見です。
(撮影&解説:リン)
○地図
○風景
名寄市北国博物館のキマロキ編成-9600形(59601)
大正時代に登場した本格的な国産の蒸気機関車としては初の形式。その能力の高さや使い勝手の良さから国鉄において保存目的を除く蒸気機関車としては最も遅くまで使用された形式でもあります。
キ900形マックレー車
線路脇の雪を切り崩しロータリーに流し込むための大きな板を備えています。乗務員室後方の無骨な骨格が特徴的です。
キ600形ロータリー車
マックレー車が崩した雪を取り込み遠くに飛ばす役目を担っていました。ロータリーの動力は蒸気機関のため、車体の中央にはボイラーがあり、後部には蒸気機関車からの流用と思われる炭水車を備えています。
D51形蒸気機関車
貨物専用の蒸気機関車の決定版とも言うべき存在で、1000両以上が製造されました。マックレー車とロータリー車を後ろから押す、頼もしい存在でした。
ヨ3500形車掌車
キマロキ編成に乗務する乗務員の控車として連結されていました。ヨ3500形は高速走行を必要としない北海道内では終始車掌車の標準型として扱われ、現在もJR北海道にイベント用の2両が在籍しています。