デュアル・モード・ビークル(DMV)〜北海道網走市・小清水町〜
   J.R. Dual Mode Vehicle in Abashiri City and Koshimizu Town , Hokkaido Prefecture

▼MAP

▼アクセス
釧網本線浜小清水駅(道の駅はなやか小清水)から徒歩すぐ
※乗車は事前申込が必要です。

▼関連サイト
JR北海道「DMV」紹介ページ
弊サイト内:雑学万歳「DMV徹底紹介」
  デュアル・モード・ビークル(DMV)は、JR北海道が開発を進めている新型気動車。最大の特徴は1台の車両で鉄道と道路の両方を走行可能な車両と言う点であり、これを活かした地方ローカル線の活性化が期待されています。また、従来の気動車に比べて車両が安く、導入費用が数分の1ほどに抑えられるのも大きな魅力です。

 これまでにもヨーロッパ各国や日本の旧国鉄でも同様のコンセプトに基づいた車両の開発が試みられてきましたが、メカニズムの複雑さなどの様々な障壁をクリアすることが出来ませんでした。DMVは、線路上での動力伝達方法を道路上と同じゴムタイヤとしています。前後の鉄車輪は線路走行の際にレールに乗るためのみとし、後輪のうち内側のタイヤをレールに接して走行しています。この他にも様々な機能を搭載することにより、実用化に成功しました。

 2004(平成16)年に901号を開発。その後は試験走行を道内各地で重ね、2005(平成17)年には現在の911号・912号が完成。2007(平成19)年春から、911号と912号が釧網本線浜小清水〜藻琴間で試験的営業運転を開始しました。同年7月には東国原宮崎県知事が視察に訪れるなどローカル線を抱える自治体の注目の的となっています。

 現在の911号・912号は市販のマイクロバスを改造したもので定員16人(運転席1、座席13、補助席2)と小型ですが、2008(平成20)年7月に開催された洞爺湖サミットにおいて乗客が一度に28人まで乗れる新型DMVが公開されるなど、現在も開発が続けられています。


 乗車してみると、道路走行時は普通のバスとほとんど変わらない乗り心地。そして線路走行時は後輪側が重いためにやや縦振動が伝わることと、普通の鉄道車両のようなボギー台車ではないために横振動が激しいことが少々気になりました。しかし、とても乗っていられないというほどではなく、充分に実用レベルだと感じられました。
 なお、上写真は網走駅前にて撮影。

(撮影&解説:リン)

DMV〜その脅威の(?)、メカニズム〜

横から。前方のボンネットの中には車輪が収められている。(浜小清水にて)


後輪は道路走行時も見える。奥に見えるタイヤの内側1対で線路上を走行する。

鉄道走行モード。前方が持ち上がった恰好になる。(浜小清水)


前輪には小さな排障器がある。鉄道車両らしい装備。(浜小清水)


後輪は軽く接地する程度までしか降りない。なおここまでの5枚は、走行前の点検として自由に見学することが可能。

運転席右上に見えるスイッチでモードチェンジを行う。あれこれいじらずワンタッチでの操作となっている。

道路走行時。普通のマイクロバスと何ら変わらない。

線路走行時の様子 (*この写真はkenura様の撮影 禁転載)

こちらは最初に登場した901号。 (*この写真は札幌ドームにてOTB様の撮影 禁転載)

主要諸元(試乗時のパンフレットより重要そうな項目を抜粋)
車名形式:DMV911、DMV912
ベース車両の車名形式:ニッサン シビリアンPA-AVW41
乗車定員(人):16=運転席1+座席13+補助席2
エンジン型式:4M50Tディーゼルターボエンジン
総排気量(cc):4899
最高出力(ps/rpm):180/2700
最大トルク(kg・m/rpm):54.0/1600
ミッション:電子制御式6速オートマチック
全長/全幅/全高(mm):7250/2065/2600
車両総重量(kg):6060(DMV911)、6020(DMV912)
最小回転半径(m)(道路):6
通過可能曲線最小半径(m)(軌道):100