今回は、名古屋にあるガイドウェイバス志段味線(大曽根〜小幡緑地/6.5km、通称「ゆとりーとらいん」)を御紹介します。これは、新交通システムの中でも日本唯一のシステムを導入した路線で、2001(平成13)年3月に開業したもの。一体どういう乗り物なのか、ガイドウェイバスホームページによると、
【鉄道+バスの利点を生かす】
ゆとりーとラインは、鉄道とバスの利点を組み合わせたシステムです。
道路の中央分離帯上に設けた
専用の高架を、車両の前後輪に取り付けた
案内装置の誘導で走り、さらに同一車両で連続して走行できる特性(デュアルモード)を備えています。
【渋滞区間でも安心な運行】
交通渋滞する区間では、高架専用軌道を走行します。
交差点がないので、朝夕のラッシュ時でも鉄道と同じようにダイヤどおりの定時・高速運行が可能です。
*ちなみに昼間時間帯は約10分間隔で運転されており、高頻度運転が可能なのも特徴です。
【デュアルモードで一般道路での走行も可能】
ガイドウェイバスは、高架専用軌道から一般道路を連続して走行します。 モード切換えは、案内装置の出し入れだけの短時間で完了します。乗り換えの煩わしさもなく、一般道路では路線バスとして各方面へ運行できます。
とのこと。
輸送力の面では一般の鉄道や新交通システムに劣るものの、渋滞が著しい一部区間のみ専用路線を開設することによって、バスの利便性を飛躍的に向上させることが出来る、画期的な輸送手段です。2005年には乗客1000万人を突破するなど、輸送量はまずまずの様子。しかし、こうした画期的なシステムであるにもかかわらず、建設費の問題からか、もしくは多額の費用をかけた割には中途半端な輸送力だと考えられるのか、新規路線建設の計画は日本全体を見ても見当たりません。
なお、ゆとりーとラインはガイドウェイバス技術の1つであって、海外ではほかにも様々な活用例があります。これについては、関連サイトで紹介した
日本自動車工業会ホームページのほか、
ウィキペディアの項目でも写真つきで紹介されていますので、是非ご覧ください。