愛知県名古屋市〜ガイドウェイバス・ゆとりーとライン
  Guideway Bus System in Nagoya City , Aichi Prefecture

▼MAP

▼アクセス
JR中央本線大曽根駅
地下鉄名城線砂田橋駅で乗り換えなど

▼関連サイト
ゆとりーとライン公式ホームページ
日本自動車工業会「ガイドウェイバス」
 今回は、名古屋にあるガイドウェイバス志段味線(大曽根〜小幡緑地/6.5km、通称「ゆとりーとらいん」)を御紹介します。これは、新交通システムの中でも日本唯一のシステムを導入した路線で、2001(平成13)年3月に開業したもの。一体どういう乗り物なのか、ガイドウェイバスホームページによると、
【鉄道+バスの利点を生かす】
 ゆとりーとラインは、鉄道とバスの利点を組み合わせたシステムです。
 道路の中央分離帯上に設けた専用の高架を、車両の前後輪に取り付けた案内装置の誘導で走り、さらに同一車両で連続して走行できる特性(デュアルモード)を備えています。

【渋滞区間でも安心な運行】

 交通渋滞する区間では、高架専用軌道を走行します。
 交差点がないので、朝夕のラッシュ時でも鉄道と同じようにダイヤどおりの定時・高速運行が可能です。
 *ちなみに昼間時間帯は約10分間隔で運転されており、高頻度運転が可能なのも特徴です。

【デュアルモードで一般道路での走行も可能】
 ガイドウェイバスは、高架専用軌道から一般道路を連続して走行します。 モード切換えは、案内装置の出し入れだけの短時間で完了します。乗り換えの煩わしさもなく、一般道路では路線バスとして各方面へ運行できます。
 とのこと。
 輸送力の面では一般の鉄道や新交通システムに劣るものの、渋滞が著しい一部区間のみ専用路線を開設することによって、バスの利便性を飛躍的に向上させることが出来る、画期的な輸送手段です。2005年には乗客1000万人を突破するなど、輸送量はまずまずの様子。しかし、こうした画期的なシステムであるにもかかわらず、建設費の問題からか、もしくは多額の費用をかけた割には中途半端な輸送力だと考えられるのか、新規路線建設の計画は日本全体を見ても見当たりません。

 なお、ゆとりーとラインはガイドウェイバス技術の1つであって、海外ではほかにも様々な活用例があります。これについては、関連サイトで紹介した日本自動車工業会ホームページのほか、ウィキペディアの項目でも写真つきで紹介されていますので、是非ご覧ください。
砂田橋駅にて
 それでは、砂田橋駅にて撮影した写真でガイドウェイバスをご紹介しましょう。
砂田橋駅
 あくまで「駅」としての扱い。立派な構造です。
専用路線
 バス専用のガイドウェイを使用して走行。
案内装置
 ガイドウェイバスの車体面での特徴がこれ。高架専用軌道で、車両の前輪と連動する装置で、レールの内側を正確にトレースするためハンドル操作が不要です。当然のことながら道路上を運転するのとは異なり、真っ直ぐ進んでいるつもりでもバスの車体が左へ行ったり右へ行ったり・・・とはなりません。そのため、高架専用軌道の幅は、バス車体の幅程度の必要最低限の建設で済みます。
駅ホーム
 ホーム上の雰囲気はこんな感じ。
ガイドウェイバス
 反対方向からのバスを撮影。
基幹バス
 ちなみに名古屋の場合、昔からバス専用レーンを設置しており「基幹バス」として運転しています。こういう手法もバスの定時制を確保する手法の1つですし、建設費も(道路拡幅による用地買収をしない限りは)少なくて済みます。ただ、既存の道路を活用する場合は、当然車線が少なくなりますので、一般の車ユーザーの理解を得るのが大変かもしれません。
 ほかの例では、例えば7〜9時まで一部の車線をバス専用レーンにする、という手法もあります。どれが最善の方法かは、地域ごとに異なるでしょうし、輸送量の増加や減少に伴う変化も出てくるでしょうから、一概に「これだ!」というのはありませんが、公共交通の利便性、利用率向上に、色々と各自治体、運営業者に知恵を絞ってもらいたいと思います。

乗車記録
 続きまして、以前に公開していましたk-tomomi♂さんによる乗車記録を再掲載しまして、ガイドウェイバスの紹介を終わりにしたいと思います。

 日本初となる都市交通システム「ガイドウェイバス」ゆとりーとらいん・大曽根(おおぞね)駅です。ここから名古屋市北東部守山区方面へと延びております。バスなのに駅なんだなと、素直に「?」と考えてしまいました。(大曽根駅では、JR中央線、名鉄瀬戸線、地下鉄名城線と接続しています)

 ゆとりーとらいん大曽根駅構内です。バリアフリー対策はおおかたOKのようです。車いすの方の利用もあるようです。
 

 こちらはガイドウェイ進入部。ここから出発していきます。

 
大曽根駅で回転所にでる車両です。前方下部に案内装置がでてます。これが車輪の役割を果たし、ガイドウェイでは運転されます。


 ガイドウェイバス車内から撮影した大曽根駅。

 車内から撮影したナゴヤドーム。ナゴヤドーム前矢田駅を出てすぐです。

 名古屋市北部を流れる矢田川です。これを越えるのが大変なのです。

 ガイドウェイバス(ゆとりーとらいん)としての終点の小幡緑地駅からの写真です。中央に見える建物が、これを運営している「名古屋カイドウェイバス株式会社」の建物です。

 そして、この駅からバスは一般道へ。ここから先は普通のバスとして運行されます。

 
 インターチェンジです。ここで車両の案内装置を出し入れし 車両及び乗務員の確認を行います。また、一般車の侵入を防ぐため遮断機もあります。

 バスはここでだいたい一分ほど停車していました。

 インターチェンジから、小幡緑地駅に向かっているバスです。
○乗車してみて
 乗り心地は思ったより良かったですね。一般道が舗装工事ばかり行われたため、ボコボコになっているのに比較して、ガイドウェイの路面は綺麗でしたね。

 バスの車内では、運転手が速度制限などを声に出していて、この部分は軌道を利用しているのかな?と思いました。また、標識も鉄道で見るような黒字に白字で制限速度を表示していたり、制限解除の表現もあります。ちなみに、路面には黄色いペイントで描かれていました。

 今回、大曽根から小幡緑地まで全区間を乗車したわけですが、思った以上に早く到着しました。運賃が多少高いのも仕方ないのかなと思います。