紀三井寺〜和歌山県和歌山市〜



○解説

 紀三井寺(きみいでら)は正式には紀三井山金剛宝寺護国院といい、西国三十三所第2番札所。もと真言宗山階派でしたが1948(昭和23)年に独立して救世観音宗(ぐぜかんのんしゅう)の総本山となっています。

 名草山(なくさやま、228.6m)の中腹に位置し、231段の石段を登ると和歌浦が一望できます。また、寺の名前の由来といわれる山内に涌く三つの井戸(さんせいすい:吉祥水・清浄水・楊柳水)は、1985(昭和60)年に環境庁(現・環境省)が選定した「名水百選」に選ばれています。

 寺伝によると、770(宝亀元)年に唐の僧である為光(いこう)上人によって開かれたとされ、江戸時代は紀州徳川家の繁栄を祈願する寺として歴代藩主が訪れました。1509(永正6)年に建築された楼門、1588(天正16)年に建築された鐘楼、1449(文安6)年頃に建築された多宝塔は、いずれも国指定重要文化財に指定されているほか、本堂は1759(宝暦9)年の建築で和歌山県指定文化財です。

 また、1990(平成2)年には財団法人日本さくらの会より「日本さくら名所百選」に選ばれています。
 (撮影・解説:裏辺金好)

○場所



○風景


楼門
寺伝によると1509(永正6)年に建てられ、1599(永禄2)年に修理が行われました。




紀三井寺の三井水 【和歌山市指定文化財(名勝)】




六角堂
1750年頃(寛永年間)築

鐘楼 【国指定重要文化財】
1588(天正16)年築。入母屋造・本瓦葺き・袴腰です。

本堂 【和歌山県指定文化財】
1759(宝暦9)年築。総欅造の堂々たる建築です。

開山堂
1807(文化4)年築。

多宝塔 【国指定重要文化財】
1449(文安6)年築。本瓦葺三間で下層は四本柱の方形、上層は十二本の柱を立て高欄をめぐらせた円形です。

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