郵政博物館〜東京都墨田区〜



○解説

 郵政博物館は、2014(平成26)年3月1日に東京スカイツリータウン・ソラマチ9階にオープンした博物館。1902(明治35)年に万国郵便連合加盟25周年を記念して開館した郵便博物館を起源とし、2013(平成25)年に閉館した逓信総合博物館(東京都千代田区大手町)の展示物のうち、NTT関連等を除いた郵便関連を引き継いだものです。
 大きな見所は、世界各国の切手約33万種の展示。日本の切手はもちろんのこと、全世界、様々なマニアックな国まで幅広い年代の切手が整然と展示されています。
(撮影&解説:裏辺金好)

○場所



○風景


世界各国の切手
地域別、国別、年代別にファイリングされており、閲覧可能です。思わぬ図柄や珍しい材質、大きさの切手も・・・。なお、撮影は禁止。


隠岐国駅鈴
7世紀、公用文書を送る駅使が馬を乗り継ぐ際に、使者の証明として使用したもの。


秘密文書送付箱
江戸時代に紀州藩で用いたもので、日付が残っています。

前島密 胸像
日本郵便の父と云われる前島密(まえじま ひそか 1835〜1919年)の胸像。1871(明治4)年に東京〜大阪で官営の郵便事業を開始させたほか、「郵便」や「切手」、「葉書」という名称は彼が定めました。


郵便役所
1871(明治4)年の郵便役所を描いたもの。旧幕府の魚類御用屋敷跡を利用したもので、前島密の執務室は押し入れに設けられたほど狭かったとか。1874(明治7)年に洋式の役所へ移転しました。




郵便創業時の道具
1871(明治4)年の郵便創業時に用いられた人車や書状集箱など。黒い郵便箱は、1872(明治5)年に郵便全国実施時に設置された木製のもので、黒塗柱箱と呼ばれます。いずれも複製品。


デルビル式磁石式壁掛電話機
1896(明治29)年製。比較的小規模な郵便局で、昭和40年代まで使用。外側のハンドルを回して電流を送り、電話局を呼び出す方式です。

自動郵便切手葉書売下機
1904(明治37)年製。山口県下関市の発明家、俵谷高七が考案したもの。展示物は複製品。


区分棚
1924(大正13)年のもの。郵便物を地域別に仕分ける際に使用したもので、現在の自動読み取り区分機のご先祖様。


国際年賀状
1920(大正9)年のもの。

最初の「お年玉くじ付き年賀はがき」
1949(昭和24)年のもの。

最初の「暑中見舞いはがき」
1950(昭和25)年のもの。

神田須田町郵便局カウンター
昭和初期から1988(昭和63)年まで使われたもの。カウンターに柵が設けられているのは防犯対策のためで、開口部が広い部分は小包を受け取る窓口です。


柱時計
昭和初期のもの。色々な郵便局に設置されていたものです。




俵谷式ポスト
1901(明治34)年製。最初の赤色鉄製ポストですが、写真等で記録されているのみ。展示物は模造品です。


中村式ポスト
1901(明治34)年製。中村幸治が考案したもので、俵谷式ポストの2週間後に登場。差入口に雨蓋が付いているのが特徴です。


回転式ポスト
1908(明治41)年製。最初に正式採用された鉄製赤色のポストで、中村式ポストと同じく中村幸治が考案。差入口が回転式になっているのが特徴で、展示物は福井県内で使用されていた実物。国内で唯一現存する回転式ポストです。



丸型庇付ポスト
1912(明治45)年製。故障が多かった回転板を取り外し、差入口に雨除けの庇と郵便物盗難防止の弁を付けました。


丸型庇付ポスト
1934(昭和9)年製。かさばる郵便物に対応した改良版です。

航空郵便専用ポスト
1929(昭和4)年製。同年4月1日の航空郵便制度開始に伴い設置された、細身の郵便ポストです。

ストニー製ポスト
1937(昭和12)年から1945(昭和20)年に使われたポストで、日中戦争の激化に伴う物資対策で登場。展示物は、コンクリートやセメントを特殊加工したストニー製です。


スウェーデンのポスト

ドイツのポスト
ドイツ皇帝マクシミリアン1世から、ウィーンからブリュッセルまでの郵便事業の総監に任じられたイギリス貴族タキシス以来の伝統で、郵便に関する乗り物が黄色であることから、ヨーロッパではポストを黄色くする例が見られます。

○逓信総合博物館時代の展示


公衆電話の移り変わり






世界各国の郵便ポスト


 

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